ニュルンベルグ国際軍事裁判の音声記録、デジタル化して公開
第二次世界大戦でナチス・ドイツによって行われた戦争犯罪を裁いた国際軍事裁判のニュルンベルグ国際軍事裁判の音声記録がデジタル化されて公開されることをフランスのショア博物館が明らかにした。ショア博物館はナチス・ドイツに迫害、虐殺されたユダヤ人らを記念して建設された。ニュルンベルグ国際軍事裁判は、ユダヤ人への迫害、殺戮を「人道に対する罪」として断罪した。1945年11月から1946年10月までのニュルンベルグ国際軍事裁判の最初の裁判の映像は28時間分だけ記録されている。
ナチスの指導者たちを裁いたニュルンベルグ国際軍事裁判の音声記録を2年間かけてデジタル化した。2000個以上あった音声記録のディスクは1950年からずっとオランダのハーグにある国際司法裁判所で木の箱の中で保管されており、誰もが簡単に音声を聞くことはできなかった。今後はオランダのハーグ、フランスのショア博物館、アメリカのホロコースト博物館でニュルンベルグ国際軍事裁判での様子を音声で聞くことができるようになる。オンラインでの公開は予定していないようだ。
ショア博物館のKaren Taieb氏は、新たにデジタル化された音声ファイルによって歴史研究者や学生らがナチス・ドイツやニュルンベルグ国際軍事裁判についてより理解を深めることができるようになると期待を寄せている。従来、研究者は文字だけで裁判の様子を辿っていたが、これからは生々しい裁判の様子やナチス指導者の肉声を聞くことができるようになる。
同氏は「音声で聞くことは、文字で裁判記録を読むだけとは大きく異なる。当時のホロコーストの犠牲者たちもナチス指導者たちの肉声を直接聞くことができるようになるのは重要なことだ。ショア博物館では音声ファイル以外にも、裁判の時に提供した25万ページにおよぶドキュメントや写真も見ることができる」と語っていた。