旧東ドイツ市民が撮影した貴重な映像アーカイブ『Open Memory Box』公開
東西ドイツが統一されてまもなく30年になる。冷戦時代の東ドイツ市民の貴重な映像アーカイブ「Open Memory Box」が2019年9月に公開された。オンラインで、世界中からアクセスして視聴ができる。
当時の東ドイツ市民が8ミリなどで撮影した日常の動画で、公園や庭で集まる家族や友人、誕生日やパーティ、葬式、学校、動物園、スキー、音楽などプライベートな映像ばかりで、ジャンルごとに分類されている。「Open Memory Box」ではドイツだけでなく海外のメンバーも加わって6年にわたって、東ドイツ市民だった149家族から2200本以上のショートフィルムを収集し、オンラインアーカイブを構築した。1947年から1990年までの東ドイツ市民の日常生活が描かれている貴重なショートフィルムで、累計で415時間以上もある。
スウェーデンの映画監督Alberto Herskovits氏と、カナダの政治学者のLaurence McFalls氏によって2013年からプロジェクトは始まった。現在のドイツでも30代以下の若者は当時の東ドイツの一般的な日常生活を知らない。当時の東ドイツ市民が撮影した日常の些細なショートフィルムばかりだが、21世紀の現在では冷戦下の東ドイツ市民の生活を知ることができる歴史的にも貴重な映像だ。McFalls氏は「私たちの目的は、東ドイツという旧共産主義国家のイメージのステレオタイプを壊すことだった」と語っている。