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Google、2018年は約15兆円の売上:視覚障碍者向けアプリ提供「全ての人々が情報にアクセスへ」

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

Alphabetは2019年2月4日、傘下のGoogleの2018年第4四半期(10~12月)の決算を発表した。

 Alphabetの2018年第4四半期の連結売上高は前年同期比22%増の392億7600万ドル(約4.3兆円)で、純利益は89億4800万ドル(約1兆円)だった。2018年度通期では、売上高が前年比23%増1368億ドル(約15兆円)だった。

変わらず好調の広告と動画、クラウド

 Alphabetの売上の99%以上がGoogleだ。そのGoogleの売上高は前年同期比22%増で391億2200万ドル。Google事業にはGoogleの検索やYouTube、Android、アプリ、クラウド、Google Play、ハードウェアなどが含まれる。特にモバイル向けの広告とYouTubeが絶好調なことも例年通りである。クラウドも好調で、広告以外の収入は31%増の64億8700万ドルだった。

 従来の広告依存によるGoogleの売上構造は変わっていないものの、以前は90%以上が広告の売上だった。最近では、Google Play、「Google Home」といったハードウェアなど広告以外の売上が増加している。年々少しずつだが広告以外の売上が増加しており、Googleの収益構造が着実に変わろうとしている。

 「それ以外の事業」はGoogle Fiber、Calico、Nest、Verily、GV、Google Capital、Xなど多額の投資が必要な事業だ。売上高は前年同期比25%増の1億5400万ドルだったが、営業損失は13億2800万ドルの赤字。FiberとVerilyの売上高の伸びは好調だが、投資コストも多大なことから、まだ赤字は続くだろう。

視覚障碍者向けアプリと補聴アプリも発表

 スンダー・ピチャイCEOは、GoogleのAIでの取組みについても説明。決算を発表した2019年2月4日には、視覚障碍者向けアプリ「Live Transcribe」と補聴アプリ「Sound Amplifier」をリリースしたことを明らかにした。まだベータ版だが、視覚障碍者向けアプリの「Live Transcribe」はほぼリアルタイムで周囲の音声を自動的に画面に書き起こすことができる。補聴アプリ「Sound Amplifier」は補聴器のように、ノイズを除去して周囲の人の声を聞き取りやくする。

 スンダー・ピチャイCEOは「Googleは、あらゆる人々が全ての情報にアクセスできるようにするという使命を担っている。広大なインターネットの中から正確で信頼できる情報を提供することがGoogleにとってもチャレンジングな課題だ」とコメント。

▼Android Accessibility: Live Transcribe(Google)

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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