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ドイツ外相「新たなタイプの軍備管理」に関する国際会議を提唱:キラーロボットへの制度作りに意欲

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 ドイツのハイコ・マス外務大臣は2019年春に、ベルリンで「新たなタイプの軍備管理」に関する国際会議を開催することを明らかにした。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣に語った。

 ハイコ・マス外相は「軍備管理に関する国際社会での新たな枠組みでの問題は、今まで国際社会でも頻繁には議論されてこなかった。そこで、新たなタイプの兵器の規制や問題について議論していきたい。特に、自律型殺傷兵器(LAWS)、キラーロボットが近年、新たなイシューとして登場してきた。それらの問題を国際社会でのルールや規制の観点から、多くの人に参加してもらって議論していきたい。そのうえで、キラーロボットが国際社会での軍備管理の中で、どのように位置づけていくのかを真剣に検討していきたい」と語っていた。

 人工知能(AI)とロボットの発展によって、ロボットが自律して、人間の判断を介さないでロボットの判断によって人類を攻撃してくることが懸念されている。またそのようなキラーロボットが実際の戦争で使用されることも想定されているが、現時点では、そのようなキラーロボットが登場していないことや各国のスタンスが異なることから、制度やルールなどが追いついていない。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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