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ロシア軍、自動化された多連装ロケットシステム(MLRS)を開発へ:キラーロボット発展への懸念

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

 ロシア軍が自動化された多連装ロケットシステム(Multiple Launch Rocket System:MLRS)を開発していると、ロシアの軍事企業NPO SplavのディレクターAlexander Smirnov氏がロシアのメディアSputnikのインタビューに語っていた。MLRSは長射程の阻止砲撃用として開発された自走多連装ロケット砲システムである。

 Smirnov氏によると、同社が開発している多連装ロケットシステム(MLRS)は既にいくつかのシステムで自動化が進んでおり、ロボット化されてきているとのことで「数年のうちにロボット化され、自動化された多連装ロケットシステム(MLRS)が登場することは間違いない。つまり、人間が標的を見つけて発射するのではなく、多連装ロケットシステム(MLRS)が標的を見つけて、自動的に発射準備から攻撃まで出来るようになる」と語っている。

 現在、国際社会では自律型殺傷兵器(LAWS)やキラーロボットの登場など、人間の判断を介しないでロボットが人間に攻撃を仕掛けてくる懸念への高まりや、人間の判断を介さない戦争についての議論が進んでいる。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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