イスラエルのヤドバシェム「いつの日かホロコースト映画を世界中でオンライン視聴へ」

(写真:ロイター/アフロ)

 第2次大戦時にナチスドイツがユダヤ人ら約600万人を殺害したホロコースト。イスラエルのヤドバシェム(国立のホロコースト博物館)には迫害されたユダヤ人らの遺品や手紙、当時の写真や映像などが大量に保管されている。ヤドバシェムではホロコーストの記憶を忘れないためにも、当時の写真や映像のほか、生存者らのインタビューを動画で撮影してデジタル化して保存している。ヤドバシェムのビジュアルセンターが、当時の写真、映像、生存者らのインタビュー動画などデジタル保存を行っており、現在12000本以上の動画やホロコースト関連の映画が保管されている。

 ヤドバシェムではいつの日か、世界中で上映されたホロコースト関連の映画を全世界でオンラインで視聴できるようにしていきたいと明らかにした。ホロコースト関連の映画は戦後の1950年代から製作されてきた。現在でも世界中で1年間に何本もホロコースト関連の映画が上映されている。日本でも毎年、何本ものホロコースト関連の映画は上映されている。ホロコースト関連の映画のほとんどが欧米で製作されているが、日本でも、リトアニアにいた外交官でユダヤ人を救った杉原千畝を題材にした映画が製作されていた。

世界中で毎年上映されているホロコースト関連の映画・ドラマ

 ホロコースト関連の映画には「夜と霧」のようなドキュメンタリー、「ショア」のような証言集、「シンドラーのリスト」のような史実に基づくもの、「ライフ イズ ビューティフル」のようなフィクションなど様々な分野の映画が世界中で毎年上映されている。ホロコーストの体験者は年々、減少しており、当時の記憶や物語を伝えていくのは映画やドラマが中心になった。極限の状態での人間の心理や生活を描いたホロコースト関連の映画やドラマは世界中で、ヘイトスピーチ対策などの教育用に視聴されることも多い。映像を通してのホロコースト当時のユダヤ人の生活や迫害、収容所の様子などはインパクトがある。また戦後、世界中でホロコーストの存在を有名にしたのは、アメリカで1978年に放送されたメリル・ストリープ主演のテレビドラマ「ホロコースト:戦争と家族」だった。

 ヤドバシェムのビジュアルセンターのLiat Benhabib氏はエルサレムで開催されたエルサレム国際映画祭で「ホロコースト映画をオンラインで視聴できるような世界規模でのプラットフォームを構築したい。現在、ヤドバシェム内で、いつ、どのように、どこから予算をつけてくるかなどを議論しており、すぐに計画は出せないが、いつか実現できると信じている」とコメント。

 ヤドバシェムのビジュアルセンターには、毎年600本から800本のホロコースト関連の映画やドラマが追加されている。それらの映画やドラマはイスラエルのヤドバシェムでは無料で視聴することができる。現在、ヤドバシェムのYouTubeでは生存者の証言集はオンラインで視聴が可能だが、ホロコースト関連の映画やドラマは、まだオンラインでストリーミングで視聴することはできない。Benhabib氏は「オンラインで視聴できるように、権利処理も進めていきたい」と語った。

▼映画「サウルの息子」

▼映画「ソハの地下水道」

▼映画「サラの鍵」

▼映画「黄色い星の子供たち」

▼映画「アンネの追憶」

▼映画「杉原千畝 スギハラチウネ」