危険しかない「自転車スマホ」:死亡事故で有罪、禁錮2年

(写真:アフロ)

 2017年12月に神奈川県川崎市で、電動式自転車に乗りながらスマホ操作をしていた20歳の女子大生が、歩行中の77歳の女性と衝突、歩行者が死亡するという事故が起こった。いわゆる「自転車スマホ」だ。イヤホンをしながら、左手にスマホで、右手には飲料カップを持っていた。そして2018年8月に女子大生に対して禁錮2年が求刑された。

自転車スマホでの死亡事故で有罪 20歳の元女子大生に「自覚欠いた運転」

 スマートフォンと飲み物を持ちながら電動アシスト自転車に乗り、歩行者にぶつかって死亡させたとして、重過失致死罪で在宅起訴された元大学生、森野実空被告(20)に、横浜地裁川崎支部(江見健一裁判長)は8月27日、禁錮2年、執行猶予4年(求刑禁錮2年)の判決を言い渡した。

 判決は、被告が右手に飲み物、左手にスマホを持ち、左耳にイヤホンをした状態で、スマホをポケットにしまった直後に事故を起こしたと認定。江見裁判長は「歩行者を死傷させ得るとの自覚を欠いた運転は自己本位で過失は重大」と指摘した。時速約9キロと比較的低速で、被告が反省の弁を述べていることなどから執行猶予付き判決とした。

 判決によると、昨年12月7日午後3時15分ごろ、川崎市麻生区の市道で、自転車を運転中にスマホの操作に気を取られ、前方不注意で歩行者の米沢晶子さん=当時(77)=に衝突し、2日後に死亡させた。

出典:産経ニュース(2018年8月27日)

自転車スマホは加害者になる

 「自転車スマホ」による事故が後を絶たない。自分がスマホを見ている不注意で怪我をするのではなく、相手に突っ込んでいき、相手の命を奪うという悲劇の事故ばかりが目立つ。2018年6月には茨城県つくば市でスマホを見ながら自転車に乗っていた男子大学生が62歳の男性をはねて死亡させていたことで書類送検されていたことがわかった。

 自転車運転中のスマホ操作「自転車スマホ」は非常に危険である。よく見かける光景だが、法律で禁止されている行為で、道路交通法第71条、東京都道路交通規則第8条で違反した場合は5万円以下の罰金となる。

 「自転車スマホ」をしている人も「歩きスマホ」と同様に、自転車を運転しながらも、気持ちはスマホの中のメールやSNS、ゲームまたはイヤホンの音楽にいっている。視覚が物凄く狭くなっているし、「歩きスマホ」のようにすぐに止まることができない。そして「自転車スマホ」をしている人は、「歩きスマホ」をしている人と同じように「自分だけは大丈夫。周囲がちゃんと見えているから問題ない」と自己中心的な思考に陥っている傾向が強いが、そのようなことは絶対にない。自転車でも急には止まれずに、目の前の歩行者に突進してしまい、相手に大怪我をさせてしまう。

 今回の事故でも、女子大学生は「ぶつかるまで気付かなかった」と話していた。まさに「自分は大丈夫」と思い込んでいても、気持ちはスマホの中にあるので、全く周囲が見えていない。

 自分自身が事故に遇うだけでなく、相手に大怪我をさせてしまったり死亡させてからでは遅い。「自転車スマホ」は他人の命を危険にさらしてまで、やることではない。

自転車でのイヤホンは絶対にダメ:聴覚でも周囲の危険察知

 スマホを見ているだけでも危険なのだが、イヤホンをつけての運転はもっと危険であり、こちらもスマホ使用と同じく禁止されている。両手を離しての自転車走行で、耳まで塞がっているようでは危険を察知してからの即座の反応が出来ない。

 自転車に乗っている人でイヤホンをしている人が多いが、目(視覚)だけなく、耳(聴覚)も人間にとっては周囲の危険を察知するのに、非常に重要な役割を果たしている。最近はスマホで動画を見ながら、イヤホンで音声を聞きながら自転車に乗っている人も多い。もはや恐ろしくて、そのような「自転車スマホ」は走る凶器のような存在で、近寄りたくない。

 そして「自転車スマホ」やイヤホンをして自転車に乗っている人は、車を運転している人から見ても、物凄く危険な存在だ。「目の前にいる『自転車スマホ』をしている人は、自分が運転している車の存在にちゃんと気づいているのだろうか」と、緊張感が高まる。なぜなら、自動車の存在に気が付いてないと、"自動車が突然、目の前に飛び出してきて"、大惨事の事故に繋がることもありうる。「自転車スマホ」とイヤホンをつけての走行は、自分が思い込んでいる以上に危険であり、そもそも禁止されている行為だ。

 裁判長が「自覚を欠いた運転は自己本位で過失は重大」と語るように、自転車に乗る時は自覚を持って「スマホを見ていても大丈夫」という意識は捨てて「自転車でも相手を死傷させることがある」ことを認識して安全な運転を心がけるべきだ。