インド工科大学、鉄道監視用のドローン開発へ:安全で正確な鉄道運行を目指して
インド工科大学(IIT:Indian Institute of Technology)ルールキー校がインドの鉄道と電車・線路の監視用のドローンを開発していることを明らかにした。ウッタラーカンド州で現在、ドローンによる鉄道のトラッキングの試験を行っている。現在は人間の目での監視を行っている業務をドローンに置き換える予定。
日本では時間通りに正確に鉄道が運行されるが、インドでは決してそうではない。ドローンで監視し、鉄道の運行状況のデータを収集し、それらのデータを解析して、鉄道の効率的で安全な運用を目指していく。インド鉄道のスポークスマンのRD Bajpai氏は「ドローンで多くの写真やデータが収集できる。電車の安全な運行や事故防止のために人工知能(AI)も活用していきたい」と語っている。IITルールキー校のDharmendra Singh氏は「ドローンによる鉄道の監視は人間がチェックするよりも、コストパフォーマンスも良い」とコメント。
インドでは2017年から現在までに、既に54件の鉄道の脱線事故が発生している。2016年には78件だった。2016年から2017年までには607人が鉄道事故で怪我や死亡しており、鉄道の安全かつ正確な運行が課題になっている。またインドでは線路に多くの人が住んでおり、電車が来た時に線路から移動する人も多い。さらに電車が象などの動物をはねてしまう事故などが多発している。ドローンでリアルタイムに様々な情報が収集され、鉄道が安全で時間通りの運行ができるように期待されている。