ブルガリア、イスラエルと共同でドローン開発に意欲

(写真:ロイター/アフロ)

 中東を訪問していたブルガリアのボイコ・ボリソフ首相は、イスラエルと共同で無人航空機(UAV、ドローン)を開発していくことに強い関心があることを明らかにした。

 ボリソフ首相はエルサレムでのネタニヤフ首相との会談前に「ドローンのような強力な防衛分野においてブルガリアとイスラエルで共同で開発できないか議論したい」と報道陣に語っていた。

 イスラエルはドローンの開発と製造においてもアメリカと並んでおり、ロシアやインドとドローン開発で協力している。イスラエル当局によると、2017年のイスラエルの防衛産業の売上は約920億ドルで、そのうちに占めるドローンの比率は2%。全体からみると決して大きい割合ではないが、イスラエルから他国へのドローン提供はイスラエル経済にも大きく貢献している。先日もドイツにドローンを提供することを明らかにしたばかりだ。

ブルガリアとイスラエルの関係はホロコースト時から

 ブルガリアとイスラエルの関係は、ナチス時代のホロコーストにまで遡る。ナチスが欧州でユダヤ人を殺害していた第2次大戦中、ブルガリアでは、早い時期から反ユダヤ措置によってブルガリアのユダヤ人の公民権は剥奪されていた。しかし、ブルガリアの同盟国だったドイツが、ブルガリアのユダヤ人を殺害することを要求してくると、ブルガリア議会とブルガリア国民は抗議の声をあげて、ナチスに徹底的に抵抗を繰り広げた。そして、ついにブルガリアのユダヤ人たちはナチスに殺害されることを免れた。(但し、戦時中にブルガリアが占領していたギリシャとマケドニアのユダヤ人約1万人をトレブリンカ収容所に送ることには同意させられた)

サイバーセキュリティ分野でも協力

 両国にはこのような歴史的な背景もあり、イスラエルとブルガリアの関係は良好だ。そのため、ブルガリアのルメン・ラデフ大統領が2018年3月にイスラエルを訪問した際には、海外の首脳として初めて、イスラエルのベエルシェバにあるCERT(Computer Emergency Response Team)を訪問し、今後両国でサイバーセキュリティ分野でも協力していくことを明らかにした。

 イスラエルは世界でも有数のサイバーセキュリティに強い国家だ。イスラエルにとってはサイバースペースも領土も同じくらい重要な領域だ。イスラエルのサイバースペース防衛の拠点のような施設を海外の首脳に公開するのは、イスラエルのユダヤ人のブルガリアへの信頼の証でもある。今回のドローン開発はどこまで現実的になるのだろうか。