アマゾン、AWSが好調で純利益2倍以上:ベゾスCEO「AWSを利用している全てのお客様に感謝」
アマゾンは2018年4月26日、2018年第1四半期(1~3月)の決算を発表した。売上高は前年同期から43%増の510億4200万ドル(約5.6兆円)。純利益は121%増の16億ドル(約1750億円)と大きく伸びた。純利益は2倍以上の伸びだ。特に北米市場の売上とクラウドサービスのAWSが好調だった。
売上はアメリカ、利益はAWS
アマゾンの売上高構成比は、北米市場(特にアメリカ)での売上が約60%である。この構成比はここ何年間も大きな変更はない。北米以外の海外市場はイギリス、ドイツ、日本、フランス、中国、イタリア、スペイン、インド、メキシコ、ブラジル、オーストラリア、オランダ、シンガポールなどを合わせても売上高構成比の30%程度だ。海外市場は売上高としては前年同期比34%増の148億7500万ドルと売上は伸びているものの、各国での投資も大きく、営業損失は6億2200万ドルの赤字だ。
アマゾンの業績に大きく寄与し、成長が著しいのは、クラウド事業のAmazon Web Services(AWS)。売上高は前年同期比48%増の54億4200万ドル、営業利益は14億ドル。アマゾン全体の売上構成は10%程度だが、営業利益は北米市場よりも大きく、アマゾンの重要な収益の柱だ。
「AWSを利用しているすべてのお客様に感謝したい」
CEOのジェフ・ベゾス氏は今回の業績発表を踏まえて「AWSはライバルよりも7年早くスタートを切ってから、今でも勢いが止まらない。その結果として、AWSはもっとも進化し、あらゆる機能を提供できるサービスに成長した。AWSは日々進化している。AWSを利用しているすべてのお客様に感謝したい。これからもAWSは皆様のために頑張っていく」とコメント。
Prime会員1億人突破、米国では年会費値上げへ
2018年4月にはアマゾンのPrime会員が全世界で1億人を突破したことをベゾス氏は明らかにした。さらにアメリカではPrimeの年会費を99ドルから119ドルへと値上げも発表している。Prime会員向けの特典である無料配達費用と動画コンテンツ製作費が嵩んでいることが原因ではないかと米国メディアは報じていた。
Prime会員になると、無料で配送してくれることから、あらゆる商品をアマゾンで購入しようとする傾向が強い。さらにオリジナル動画の提供は顧客確保にとって重要だ。つまらない動画を配信していたり、いつまでも同じ動画を配信していたら、あっという間に解約されてしまう。アマゾンとしてはAWSで高収益を上げるようになってきて、Alexaなど人工知能(AI)開発にも注力しているが、本業のショッピング利用客を無視することはできない。