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ニューヨークでも「歩きスマホ」禁止か:市長が罰金導入も検討

佐藤仁学術研究員・著述家
ニューヨーク市長のビル・デブラシオ氏(写真:ロイター/アフロ)

 日本だけでなく、世界中で「歩きスマホ」が問題になっている。アメリカでも「歩きスマホ」による事故やトラブルが相次いでおり、州や都市で「歩きスマホ」の禁止や罰金導入に向けた動きや議論が活発になっている。特に外国人観光客も多いホノルルでの「歩きスマホ」禁止と罰金導入のインパクトは大きかった。

 ハワイのホノルル市では2017年10月に、道路横断中のスマホのチェックやゲームなどの行為を禁止する条例が施行された。違反すると罰金を科される。いわゆる「歩きスマホ」禁止だ。ホノルルに次いで、アメリカのカリフォルニア州のモントクレアでも「歩きスマホ」禁止条例が2018年1月に可決され、8月から施行される予定だ。

「明らかに交通事故や衝突トラブルの原因を増やしている」

 そしてニューヨークのビル・デブラシオ市長も2018年3月15日のプレス向けの会合で、ニューヨークでも「歩きスマホ」の禁止と罰金の導入を検討していることを明らかにした。まだ市長のアイディアの段階だから、具体的な罰金の額や導入時期が決まっているわけではない。

 デブラシオ市長は「ニューヨークのあらゆる所で『歩きスマホ』をしている人を見かける。何回も危険なシーンを見て来た。それで『歩きスマホ』禁止の取り組みは真剣に考えるようになった。彼らは明らかに交通事故や衝突トラブルの原因を増やしている」とコメント。

 特に寒いこの季節は、ニューヨークの人たちは手袋を着けて歩いているので、SNSやニュースチェック、メッセンジャーのようなスマホの画面操作が必要なコンテンツのチェックはあまりしていない。その代りに手袋を着けたままスマホを持って動画を見ながら歩いている。そしてスマホで動画を見ながら、耳にはイヤホンをしながら歩いている。目(視覚)だけでなく、耳(聴覚)からの周辺の危険な情報を遮ってしまい、非常に危険だ。

 ニューヨークのような大都市で「歩きスマホ」が禁止になると、そのインパクトはホノルルの比ではない。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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