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「人工知能(AI)は火や電気よりも重要」GoogleのCEO、米国のテレビ番組で

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

 GoogleのCEOのサンダー・ピチャイ氏は2018年1月にアメリカのニュース専門放送局MSNBCとサイトRecordが企画した番組に出演。その中で人工知能(AI)の重要性について語った。

「AIは火や電気よりも重要になるかもしれない」

 ピチャイ氏は番組の中で「現在、人類が取り組んでいるAIの開発は人類史上で最も重要な1つ。火や電気よりも重要になるかもしれない」とAIの重要性を語った。番組内では共演しているRecordのKara Swisher氏が、AIは人類にとって輝かしい未来を作る可能性があると同時に、放射線医師、弁護士、会計士などの仕事がAIによって奪われることになると指摘。

 AIによって仕事が奪われることは何年も前から議論されており、将来多くの仕事がAIにとって代わるのは明らかだが、ピチャイ氏はそのことについて「人々が職を奪われることに心配するのは当然。だが、躊躇していたらチャンスを逃すことは歴史が証明している」と変化を受け入れるべきだと主張。

「人類は火のネガティブな面を克服してきた」

 さらにピチャイ氏は「人類は火のネガティブな面を克服して、火の使い方を覚えて、人類の発展のために貢献してきた。AIは今後、気候変動の解決や、がんの治療に貢献できる」とコメントしていた。

 火も電気も人類が生活していく上においては欠かせないツールだ。だが一方で、それらの活用を間違えると殺人ツールにもなりうる。AIもすでに人間の生活に欠かせないツールの1つになりつつある。そしてピチャイ氏が指摘しているように気候変動の解決や病気治療にも貢献することが期待されている。

 火や電気は基本的に人間による制御が可能で、自らの意思を持ち、人類を攻撃してくることはない。一方で現在、人工知能(AI)が人間の知能を超越し「超知能」に変貌し、「自らの意思を持った自律型ロボットが人類を襲ってくるかもしれない」というSF映画のような近未来を懸念した議論も国際社会では行われている。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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