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中国でもついに「ポケモンGo」提供か:ナイアンティックCEOが示唆

佐藤仁学術研究員・著述家
香港では大人気だった「ポケモンGo」(写真:ロイター/アフロ)

中国のポータルサイトと提携へ

 2016年7月に提供開始され、日本だけでなく世界中でブームになっていた「ポケモンGo」。もうすっかり忘れてしまったという人も多いかもしれないが、ついに中国でも正式に提供されるかもしれない。英国のFinancial Timesが報じていた。

 報道によると、「ポケモンGo」を提供しているナイアンティックが、中国のポータルサイト「網易(NetEase:ネットイース)」と提携して提供を検討しているようだ。ナイアンティックのCEOのJohn Hanke氏は「中国でも我々のゲームを2018年のうちに提供したい」と中国でのサービス提供を示唆している。

 なお中国でアメリカの企業が活動するには規制問題をクリアする必要があるので、ナイアンティックはネットイースから2億ドル(約220億円)を調達するとのこと。

今更「ポケモンGo」か

 CEOのJohn Hanke氏はインタビューの中でも「我々のゲーム」と述べており、「ポケモンGo」とは明言していない。ナイアンティックは2017年11月に、「ハリーポッター」を題材にしたゲーム「Harry Potter : Wizards Unite」を発表している。配信時期は未定。「ハリーポッター」は中国でも大人気だ。

 中国当局は当時「地図情報のセキュリティに脅威を与えるリスクがあり、交通機関や個人の安全性が確認されるまで『ポケモンGo』の中国でのリリースは認めない」というスタンスだった。現在、それらの問題がクリアになったのかどうかは不明だ。だが、当時も多くの中国人がVPNなどの抜け道を利用してダウンロードしてゲームを楽しんでいたようだ。

 香港では「ポケモンGo」はリリース直後には大人気で、ファンイベントなども開催されていた。だが、もう1年以上が経ち、当時熱狂していた人々の多くがもうゲームには飽きて、辞めている。確かに中国でもスマホは普及しているが、今更「ポケモンGo」が正式に提供されても中国でブームが来るのだろうか。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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