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Apple、インドで初めて大学卒業生のリクルーティング活動:名門IIITハイデラバード校で

佐藤仁学術研究員・著述家

インドで初めて大学卒業生のリクルーティング活動

 Appleが初めてインドの大学で卒業生のリクルーティング活動を行うことが明らかにされた。Appleがリクルーティング活動を行うのはインドでもIT系に圧倒的に強い名門International Institute of Information Technology (IIIT)のハイデラバード校。

 同校の就職課のT V Devi Prasad氏は「Appleが我が校の学生に注目したことを嬉しく思う。Appleの期待に沿える人材が豊富に揃っている。ハイデラバードかバンガロールにあるAppleに就職することになるだろう」とコメント。同校の約350人の学部生と大学院生が応募するだろうとのこと。

人工知能(AI)スキルを持った学生の確保に躍起になるIT企業

 Apple以外にもインドの大学のITに強い卒業生はマイクロソフト、GoogleといったIT系企業への就職が強い。特にGoogleはCEOのサンダー・ピチャイ氏がインド出身であることから、インドでの人気も高い。就職活動は12月から始まる。インドのIT系の学生の中では、今期は特に人工知能(AI)、データサイエンス、オートメーション技術、モバイルでの3Dデザインのスキルを持った学生への需要が高いとのこと。特に人工知能関連の技術を持った学生はIT企業に引っ張りだこのようだ。

 インドでは多くの学生がサムスンや中国製の100ドル程度のスマホを所有している。Appleは世界中で同じ価格で端末を販売していることから、インドではiPhoneは人気があるものの、相当に高価格なスマホで誰もが所有できるわけではない。そのため決してシェア上位になることはないが、インドにおけるAppleの売上も伸びてきており、人口12億人を超えるインド市場は同社にとっても無視できない存在だ。

▼Appleがリクルーティング活動を行う International Institute of Information Technology ハイデラバード校 (IIIT-H)

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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