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Twitter、全世界で3億3000万、日本4500万突破:年内の黒字化は見えるか

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

 Twitterは2017年10月26日、2017年第3四半期(2017年7~9月)の決算を発表した。売上高は前年同期比4%減の5億8,900万ドル(約650億円)。純損失は2,100万ドル(約24億円)の赤字だった。

全世界での利用者は微増の3億3,300万人

 Twitterの売上高のうち約85%は、広告収入。だがその広告の売上も8%減5億300万ドル、データライシングなどの売上は22%増の8,700万ドルだった。今期はマーケティング、研究開発などのコスト削減が功を奏して前年同期の1億200万ドルから赤字幅は大幅に縮小した。第4四半期には2013年の上場以降、初の黒字化も見えてきたことを明らかにしている。

Twitterの売上高の推移および広告収入とその他の比率(公開情報を元に作成)
Twitterの売上高の推移および広告収入とその他の比率(公開情報を元に作成)

 全世界でのTwitterの月間利用者数(MAU)は前期より400万増の3億3,300万人。利用者のうちアメリカが6,900万人で、海外市場が2億6,100万人。CEOのジャック・ドーシー氏は「動画広告などが好調で利用者が増加した」とコメント。それでも全世界で20億人規模が利用しているFacebookの背中は遥かに遠い。

 Twitterは2015年第1四半期に3億人を突破し、ようやく3億3,300万人。いつまで経っても4億人を超えないで伸び悩んでいる。日本やアメリカ、インドネシアなど一部の国ではTwitterは人気だが、今後爆発的な成長は見込めない。2017年4月には新興国など通信事情がよくない地域でも利用しやすい「Twitter Lite」をリリース。データ通信量を最小限に抑えることができるアプリだが、ほとんど効果はなかった。

Twitter利用者の米国と国外での推移(公開情報を元に作成)
Twitter利用者の米国と国外での推移(公開情報を元に作成)

日本での利用者は4,500万突破

 世界規模では利用者が伸び悩んでいるTwitterだが、日本では大人気だ。タレントや政治家から一般の人までが多く使っている。また企業やメディアの多くも情報発信のツールとしてTwitterを活用している。

 Twitterジャパンは2017年10月27日に、日本でのTwitterの月間利用者数が4,500万を突破したことを明らかにした。2016年9月に4,000万を突破、1年1か月で500万増加した。

 

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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