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ケンタッキー、中国進出30周年を記念したオリジナルスマホを限定5000台販売

佐藤仁学術研究員・著述家

ケンタッキー・フライドチキン(KFC)が中国に進出したのが1987年。天安門事件の2年前で冷戦末期の中国にとってアメリカのファーストフードの代表であるKFCの進出は画期的だった。現在では中国全土で7,600店舗以上となり、中国のあらゆるところで見かけるKFCだが、今年で30年を迎える。

そのKFCが30周年を記念したオリジナルスマホ「Enjoy 7 Plus」を2017年7月13日から限定5,000台で販売。中国最大のスマホメーカーHuaweiが製造。Android 7.0をベースにした仕様としては普通のスマホで、価格は1,099人民元(約18,000円)と現在の中国のスマホ市場では一般的な価格帯で、決して高価な端末ではない。

「オリジナルアプリやクーポンも」これからのスマホの差別化要因

真っ赤なスマホで、背面にお馴染みのカーネルサンダースと「ニーハオ1987」と書かれている。さらにKFCのオリジナルアプリも搭載。「K-MUSIC」のボタンをKFC店舗で起動すると、店内に流れている音楽を変更できるようだ。イメージ動画では誕生日を祝う音楽を流している。またKFC店舗で利用できる「K-dollar」というポイントもチャージされている。

中国では、都市部では誰もがスマホを所有している。コモディティ化してしまったスマホはもはや飽和状態だ。特にOPPOやvivoなどの低価格のスマホが大量に販売されており、端末ごとの差別化はほとんどなくなってしまった。それは中国だけでなく、先進国ではほとんどが同じ状況だ。

今後は、店舗との共同開発やイベントに合わせての限定販売など、このようなオリジナルなデザイン、特別のアプリ、クーポンなどを搭載した「企画スマホ」が差別化要因になる。低価格スマホはそのような路線でしか生き残る道は難しい。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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