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東京メトロ全路線全駅のホームドア設置を決定:「転落事故、接触事故の防止」を目指して

佐藤仁学術研究員・著述家
(ペイレスイメージズ/アフロ)

東京メトロではホームでの安全対策(転落事故、接触事故の防止等)として、全駅へのホームドア設置を進めている。2017年6月に東西線の優先設置駅以外の設置計画が決定。東京メトロ全路線全駅のホームドア設置計画を確定した。丸ノ内線、有楽町線、南北線、副都心線は全駅整備済で、2017年度末までには全179駅のうち98駅までは導入完了予定。2024年度までに1日10万人以上が利用する81駅への整備を完了させ、2025年度までに全179駅にホームドアを整備することを目指している。

酔っぱらいながらの「歩きスマホ」が一番危険

「転落事故、接触事故の防止」が目的だが、視聴覚障害者以外でホームでの転落や接触の要因として多いのが、「酔っぱらいながらホームを歩く」、「体調不良でふらついている」、「歩きスマホ」があげられる。夜には酔っぱらいながら、歩きスマホをしている人も多い。

酔っぱらいながらの「歩きスマホ」は物凄く危険だ。「歩きスマホ」は平時であっても、視野が狭くなっており、かつ神経がスマホに集中しているので、咄嗟の判断ができない。お酒が入ることによって、更に判断力は鈍る。また酔っぱらうと耳が遠くなるので、駅での注意や周囲の音も聞こえなくなってしまう。とにかく危険だ。スマホを線路に落としてしまって壊れてしまうだけなら、買い替えができるが、自身が接触や転落をした場合、命にかかわる。

ただホームドアが全駅で設置されたからといって「歩きスマホ」が安全にできるようになるわけではない。「歩きスマホ」でスマホばかりチェックしているので歩くのが遅くなったり、他人にぶつかりそうになって迷惑をかけたり、電車の乗降時も「歩きスマホ」をしているので電車の遅延にも繋がっている。さらに他人にぶつかって怪我をさせてしまい加害者になることもある。

現在、東京メトロではホームドアの設置の他にも、踏み外し防止として可動ステップを導入したり、駅のホームに警備員を配置して安全対策を図るなどハードとソフトの両面から安全対策を行っている。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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