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YouTube、Twitterなど4社で「テロに対抗するフォーラム」情報拡散で影響力あるのは動画

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

YouTube、Twitter、Facebook、マイクロソフトの3社は2017年6月26日、テロリスト対策を目的とする「Global Internet Forum to Counter Terrorism (テロに対抗するグローバルインターネットフォーラム)」を形成したことを発表した。4社はテロに関する情報共有、テロ関連コンテンツの検知と削除での協力、政策支援に向けた協力を行っていく。各社では2016年12月にもテロを助長するコンテンツを排除することで協力している。既に、各社でテロ関連だけでなくヘイトスピーチや差別などのコンテンツを削除する対策は行われている。

テロ情報拡散で一番影響力があるのは動画

テロのプロパガンダ拡大、テロリストのリクルーティング、情報拡散において一番効果的なのは動画で視覚に訴えることだ。テロの正当性などを訴求した動画を作成してYouTubeにアップして、その動画をTwitterやFacebookで拡散していく。

YouTubeを傘下に持つGoogleは2017年6月19日に、テロ対策に関する新たな以下4つの取組を発表している。

1.AIの機械学習による関連コンテンツの検出を強化

2.AIだけでなく、人間による関連コンテンツの検出を強化

3.曖昧な動画を今まで以上に厳しく削除

4.欧州でテロに関心があるユーザーに対して反テロ動画にリダイレクト

現在では、どのような貧しい地域でも、若者のほとんどがスマホを持っており、Wi-Fiスポットで無料でどのような情報にでも簡単にアクセスできる。スマホとSNSはテロのプロパガンダ拡散やリクルーティングにも効果的だ。特に動画なら見るだけだから、文字が読めなくとも理解できるし、若者の心に響くような訴えかけをしている。

YouTubeでは関連動画がアップされると削除しているようだが、動画の作成・編集やアップはちょっとした技術があれば誰でも簡単にできるし、アカウントは凍結されても何回でも作成できる。テロリストとの「いたちごっこ」はいつまで続くのだろうか。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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