Netflix、世界規模で広がる加入者と求められるオリジナルコンテンツの充実

(写真:Shutterstock/アフロ)

Netflixは2017年4月17日に2017年第1四半期(2017年1~3月)の業績を発表した。売上高は全世界で前年同期比売上高は35%増の26億3,700万ドル(約2800億円)で、純利益は1億7,800万ドルだった。

予測を下回ったが、それでも純増数増加

Netflixのアメリカでの総加入者は5,085万人。アメリカ市場での加入者は頭打ちかと思われていたが、それでも142万増加している。アメリカ国外市場での加入者数は4,789万人で前期よりも353万増と増加の伸びは大きい。だがNetflixは全世界130か国で事業を展開しており、1か国の平均値とすると、やはりアメリカ市場が同社にとって重要であることは変わりない。

Netflixの四半期ごとの加入者推移。Netflix発表資料を元に作成
Netflixの四半期ごとの加入者推移。Netflix発表資料を元に作成

ローカルコンテンツの充実で解約を防止へ

加入者の増加が予測していた数値よりも少なかったことから株価は3%下落してしまったようだ。たしかに加入者数の増加はアナリストにとっては指標の1つだ。加入増と同時に解約を食い止めることも重要だ。そのためには常に新しく、面白いコンテンツを提供していかないといけない。Netflixは今回の決算発表時にもローカルのオリジナルコンテンツの提供に注力していくことを明らかにしている。

Netflixのような有料課金動画(SVOD:Subscription Video on demand)を提供するような企業にとってはコンテンツが収益の命脈だ。そして「コンテンツの面白い、つまらないは個人の主観に大きく左右される」もので、世界中で万人に受けるコンテンツの提供は難しい。いつまでも同じコンテンツを提供し続けていても飽きられるだけだから、現地のニーズに合わせたローカルコンテンツも常に充実させる必要がある。

NetflixだけでなくAmazon PrimeやHuluなどSVOD事業者は世界中に多数存在している。CATVと違って、SVODは面白いコンテンツを見つけたら、すぐに契約して見ることも可能だが、解約も簡単にできる。つまり面白くなかったら、すぐに解約されてしまう。

最近では「13の理由(13 Reasons Why)」や「サンタクラリータ・ダイエット(Santa Clarita Diet)」などのオリジナルコンテンツが人気だと決算資料には出ていた。だが誰もがこれらのコンテンツが好きで面白いと思うわけでない。日本の視聴者なら海外のドラマよりも、例えば同社のオリジナルドラマ「明石家さんまプロデュース『Jimmy~アホみたいなホンマの話~』」の方がよっぽど楽しみだという人も多いのではないだろうか。

このようにコンテンツの好き嫌いは完全に個人の主観に依存する。そして「もう面白いコンテンツがないな」と思ったり、他のSVODで面白そうなコンテンツを提供していたら、Netflixを解約してすぐに違うSVODに行ってしまう。1人でいくつもSVODと契約して視聴できるくらいにお金と時間にゆとりがある人以外は、1人で複数のSVODを視聴する人は多くない。

Netflixはインドネシア最大の通信事業者テレコムと提携してインドネシアでのサービス展開や販売強化をしていくと報じられていた。新興国は人口規模としては大きいものの、ネットでの動画はYouTubeで見る人が多い。現地のCATVの映像の多くがYouTubeにアップされており、それらを無料で見ている人が多い。そのYouTubeも多様なチャンネルを揃えた「YouTube TV」を月35ドルでリリースしており、競争はますます激しくなっている。

1人が動画を視聴できる時間もコストも限られている。SVOD以外にも地上波、CATV、YouTubeなどライバルは非常に多い。視聴者を獲得して、繋ぎ止めておくためのコンテンツ強化と宣伝などマーケティングは自転車操業だが止めることはできない。

Netflixの四半期ごとの業績推移。Netflix発表資料を元に作成
Netflixの四半期ごとの業績推移。Netflix発表資料を元に作成

Netflixの決算発表資料の中で人気あるコンテンツの1つとして紹介されていた「13の理由(13 Reasons Why)」

日本人視聴者には「明石家さんまプロデュース『Jimmy~アホみたいなホンマの話~』」の方が楽しみという人が多いのではないだろうか。