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エアバス、モジュール式「空飛ぶ自動車 Pop.Up」コンセプトを公開:交通渋滞解消に向けて

佐藤仁学術研究員・著述家
(エアバス)

エアバスは以前から「空飛ぶ自動車」の開発を行っている。2016年11月にはそのコンセプト「Vahana」のコンセプトデザインを発表したばかりだ。そしてそのエアバスが2017年ジュネーブ国際モーターショーでItaldesignと提携して作成した「空飛ぶ自動車」のコンセプト「Pop.Up」のデザインと動画を公開した。動画は下記に掲載しておく。まさに未来都市の乗り物だ。

誰もが簡単に呼べる「空飛ぶタクシー」で渋滞解消も

エアバスが公開した空飛ぶ自動車は、モジュラー式で地上の道路も空中でも移動できるようになっている。必要に応じて自動車、飛行機と合体できる仕組みで、電動式なので排気ガスも出ない。また人工知能を搭載しており、道路も空の経路も人工知能が決定するようで、飛行機の運転ができない人でも乗っているだけで空中の移動が可能。

公開された動画ではユーザーはタッチパネルのような画面で、自動車を地上で呼ぶ。自動車は駐車場のような場所に停止し、そこでプロペラが装着され、空を飛んで移動していく。その時、自動車のタイヤ部分が分離され、地上に置かれたまま。つまり、このような自動車と飛行機が合体、分離するスペースと飛行機が着陸する場所は必要だ。ユーザー自身は運転していないで乗車しているだけだ。いわゆる「空飛ぶ自動運転タクシー」だ。シンガポールと思われる都市の上空を何台もの「空飛ぶ自動車」が飛行している。

駐車場のような場所でプロペラをつけて、タイヤを外して自動車から飛行機になる
駐車場のような場所でプロペラをつけて、タイヤを外して自動車から飛行機になる

具体的な商用開始時期や費用は明らかにされていない。エアバスは道路が交通渋滞で移動に時間がかかるときは空を飛んで移動することによって道路の渋滞が劇的に解消することを期待している。

まだ各国で規制、離着陸するスペースの確保、安全性、騒音問題、悪天候時の対策、保険などいろいろと解決すべき課題は多いが「空飛ぶ自動運転タクシー」を誰もが自宅まで呼んで、どこにでも空中で移動できる日がやってくる。タクシーの運転手も過去の職業になってしまう。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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