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ドバイ警察:2017年から道路パトロールに警察ロボットを導入、2020年まで大量導入

佐藤仁学術研究員・著述家
(GDN)

ドバイ警察によると、ドバイでは2017年から警察ロボットが導入される。2016年10月にドバイで開催されたGITEX Technologyで明らかにされた。そして2020年までには大量の警察ロボットがドバイに配置されるとのことだ。

Dubai Media Office
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まずは道案内と交通違反の罰金支払い

2016年6月には、ドバイ警察のKhalid Razooqi氏は「ドバイでは、一定条件下においてはロボットが道路のパトロールなどの作業を行うようになるだろう」と述べていた。政府公報機関Government of Dubai Media Officeもドバイの警察ロボットをTwitterで紹介していた。

ペッパーのようなロボットで、胸にはタッチスクリーンが搭載されている。このタッチスクリーンから警察への通報ができたり、交通違反の罰金の支払いができるそうだ。2017年からドバイの観光地で警察ロボットを導入し、まずは観光客への道案内や交通違反の罰金支払などに対応する。そして2020年までにはあらゆる所に配置していくことを予定しているそうだ。

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近い将来は犯罪捜査も?

現時点では警察ロボットにはまだ犯罪捜査はできないそうだ。怪しい人を認識してチェックするなどの防犯対策機能も完備されてないが、おそらくロボットにはビデオなどが搭載されているのだろうから、警察ロボットの設置は犯罪の抑止にも期待される。

また、この警察ロボットは10~20メートル先から人間の顔認識もできる。ドバイ警察ではIBM、Googleと連携して人工知能の開発を行っているので、近い将来には人工知能で怪しいと認識した人のチェックや、指名手配犯などの検知をするようになるかもしれない。また現在は人間との握手や敬礼くらいしかできないが、体型も改造されたら犯人の捕獲なども行うようになるかもしれない。

映画『ロボコップ』が最初に公開された1987年には夢物語だった警察ロボットの時代が現実になるのもそう遠くないだろう。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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