Apple、年間売上高22兆円でも減収減益:ますます重要になる日本市場と順調なサービス分野

(写真:ロイター/アフロ)

Appleは2016年10月25日に2016年Q4(2016年7~9月期)の業績発表を行った。

売上高は前年同期比9%減の468億5,200万ドル(約4.7兆円)、純利益は19%減の90億1,400万ドル(約9,000億円)と減収減益だった。3半期連続の減収減益となった。

また、2016年度通期(2015年10月~2016年9月)は売上高が前年度比8%減の2,156億3,900万ドル(約22兆円)、純利益は14%減の456億8,700万ドル(約4.6兆円)で、通年でも減収減益となったのは2001年以来初とのこと。

中国市場で減少幅が大

売上は前年同期比で比較すると欧州圏での売上が3%と微増で、日本市場が10%増で、それ以外の地域では減少している。お膝元のアメリカでも年々売上が減少しており、Appleにとって日本市場がますます重要になってくる。iPhone7からSuica対応や防水対応など日本市場でうけるような機能を搭載してきたが、これからもっと日本人が好むようなサービスや機能を搭載してくるかもしれない。

特に中国市場ではAppleの売上は年々減少しており、今期も30%減と減少幅の大きさが目立っている。但し、2016年9月から販売が開始された新機種iPhone7の売上は1週間分しか入ってないとのことなので、中国市場だけでなく世界規模でのiPhone7の効果は次の決算発表まで待った方が良いだろう。

▼地域別での売上高とシェアの推移

(Apple決算資料を元に作成)
(Apple決算資料を元に作成)

サービスの売上拡大を強調

Appleの売上高468億5,200万ドルのうち、iPhoneが281億6,000万ドルと60%を占めているが、売上の伸びでは2016年に入ってからサービス分野(AppleCare、Apple Pay、ライセンス事業など)の成長が著しい。Appleもサービス分野の売上が順調に拡大していることを強調していた。それでもまだAppleの売上全体の中ではサービス分野が占める割合は13%程度で、売上のほとんどを製品に依拠している。

サムスンの発火リコールは追い風?

クックCEOによるとサービス分野も順調に推移しているとのことだが、それ以外にも新製品iPhone7やiPhone 7Plusの売上も好調とのことだ。これらの端末がApple復活の本当の起爆剤となるかにかかっている。

世界規模で見るとiPhoneの売上は減少しているが、ライバルであるサムスンのフラグシップ端末「Galaxy Note7」が発火事故によるリコールで生産停止を発表した。日本ではサムスンの端末はほとんど売れないで、多くの人がiPhoneを利用しているが、世界のフラグシップ端末市場ではAppleとサムスンの2ブランドが競合している。サムスンにとっては今回の発火事故でブランドのイメージを大きく低下してしまい、フラグシップ端末市場でのiPhoneの優位性は高まっている。Appleとしては今までサムスンのフラグシップ端末を購入していた人を取り込める可能性は高い。

一方でオーストラリアでiPhone7が出火する事故があったという報道があり、Appleは原因を調査するとのこと。サムスンの発火リコール問題はAppleにとって追い風になるかと思いきや、決して対岸の火事ではなさそうだ。

▼製品別での出荷台数、売上高および売上高に占めるシェア

(Apple決算資料を元に作成)
(Apple決算資料を元に作成)