AIと対話できるメッセージアプリ「Allo」:Googleが弱いSNS分野を再生できるのか

(写真:ロイター/アフロ)

Googleは2016年9月21日にメッセージアプリ「Allo」をリリースすることを明らかにした。「Allo」は2016年5月に開催された「Google I/O 2016」で発表していた。基本的にはLINEやFacebookのメッセンジャーと同様のメッセージアプリで、テキストやスタンプの送信、グループチャットなどができるほか、他には相手が「Allo]を利用していなくとも、ショートメッセージ(SMS)で会話が可能だ。また、シークレットモードではエンドツーエンドのメッセージ暗号化や、設定期間の経過後にメッセージを破棄する機能もあるそうだ。

人工知能(AI)ボット「Google Assistant」を搭載

「Allo」の最大の特徴は、人工知能(AI)を搭載したボット「Google Assistant」と1対1で会話をおこなったり、グループチャット、友人とのチャットの中で「Google Assistant」を会話に参加させることによって、夕食のレシピ動画を紹介してもらったり、お勧めのレストランを教えてもらうことなどができるようになる。AIなので、会話の流れや過去に機械学習を通じて蓄積された情報から適切と思われるような内容の返事をしてくれるようだ。

Googleは「Allo」でメッセージ、SNS分野を再生できるか?

Googleがメッセージアプリを提供するのは、これが初めてではない。現在でも利用者は決して多くないが「Hangouts」というコミュニケーションツールがある。むしろ知らない人の方が多いかもしれない。日本ではメッセージアプリは「LINE」が最も多く利用されている。世界規模で見たらFacebook傘下の「WhatsApp」や同社が提供する「メッセンジャー」が主流で、全世界にそれぞれで10億人以上の利用者がいる。今回Googleは「Allo」と「Duo」のメッセージアプリがリリースされても「Hangouts」の提供をやめるとも言ってない。

メッセージ、SNSでは圧倒的に強いFacebook

全世界のメッセージアプリ市場はFacebookが圧倒的に強い。そしてFacebookもGoogleと同じように人工知能(AI)の開発に注力しており、すでに「メッセンジャー」ではAI機能を活用したサービス提供も行っている。例えば「チャットボット」という機能では「メッセンジャー」で企業の窓口の顧客対応やニュース配信、買い物などにも利用が拡大しようとしている。

Googleにとってはソーシャルメディア(SNS)には「Google +」というのもあるが、これも全世界で17億人以上が利用しているFacebookに比べるとその存在は非常に小さい。世界中の情報を収集して、機会学習や人工知能(AI)の開発に応用したいGoogleにとってはSNSやメッセージアプリは一番弱い部分だ。世界規模で圧倒的な地位を築いており、人工知能(AI)開発も行っているFacebookは、この分野においてGoogleにとっても相当な強敵だ。

だが世界中の情報を収集して、更なる人工知能(AI)を強化してサービス拡大を図りたいGoogleにとってはメッセージアプリやSNSは重要な情報源だ。メッセージアプリやSNSでは検索や位置情報だけでは得られない「誰と誰が繋がっている」といった人間関係や、「いつ、誰が、どのようなコミュニケーションをしている」といった日常生活の些末ながらも重要な情報や、「どんな趣味で、どのようなニュースに興味がある」といった個人の嗜好が入手できる。これらの情報を元にますますAIを強化し、各人に様々なサービスを提供することによって、広告収入や企業とのタイアップなどで新たな収入源に繋げていくことができる。

今回、Googleが提供する人工知能(AI)搭載のメッセージアプリ「Allo」とビデオチャット「Duo」で、Googleはメッセージアプリ市場で再生できるのだろうか。動画やリリース文を見る限りでは、それほど大きなインパクトは感じない。人工知能(AI)が搭載されているだけで、今までFacebookのメッセンジャーやLINEを利用していた人がすぐに「Allo」に移るのだろうか。