インドネシア:「ポケモンGO」に便乗したキャラクターTシャツも大人気
日本だけでなく世界中で「ポケモンGO」が流行していたが、インドネシアではリリース前から多くのインドネシア人が「ポケモンGO」を楽しんでいた。
「熱しやすく冷めやすい」人が多いせいか、インドネシアではリリース前の方が盛り上がっており、学校では生徒が勉強に集中しなくなるから学校内での「ポケモンGO」禁止を大臣が通達したり、フランス人がゲームに夢中で軍事施設に無断侵入して拘留されたり、「ポケモンGO」がリリースされる前から政府は公務員や警察は職務中にはゲーム禁止命令を発出していたほどだった。ゲーム好きな人は今でもやっているが、飽きてしまった人も多く、現在ではだいぶ沈静化してきた印象だ。
「ポケモンGO」で通信事業者への改善ニーズも
「ポケモンGO」の影響で、インドネシアなど東南アジアでは通信会社も対応を迫られているという記事がロイターに出ていたので、下記に引用しておきたい。
「ポケモンGO」がリリース前から配信されて1か月以上が経ったインドネシアでは、以前のような熱狂的なブームは感じられない。現在、この記事もジャカルタで書いているが、ロイターが報じているようにインドネシアの通信会社が「ポケモンGO」のために通信改善を行って、劇的に通信環境が良くなったとは感じない。
ジャカルタのような大都市では誰もがスマホを所有しているが、そのほとんどが100ドル~200ドルくらいの廉価端末で、スマホで「ポケモンGO」をやっていると電池がすぐに無くなってしまうこともブーム衰退の要因だろう、一時のようなブーム感は感じられなくなった。そのようなスマホが多いので、携帯用充電器は「ポケモンGO」の前からよく持ち歩いているが、それでも「ポケモンGO」をやっているとすぐにバッテリーがなくなってしまうし、もう飽きてしまったからやらなくなったというインドネシア人の声はよく聞く。
通信環境よりも盛り上がる「ポケモンGO」キャラクターTシャツ
インドネシアで「ポケモンGO」以降、一番盛り上がっているのは、キャラクター周辺のビジネスだろう。一番多く見かけるようになったのはポケモンのTシャツだ。子供向けのTシャツに「ポケモンGO」やポケモンのキャラクターが描かれている。正式版ではないから任天堂の許可などは取っていないだろうが、このようなキャラクターのシャツやグッズはインドネシアでは大人気で、そのほとんどが海賊版だ。
インドネシアではこのようなキャラクターが大人気で、日本でお馴染みのLINEが流行したのもスタンプ(インドネシアではスティッカー)のキャラクターがインドネシア人にうけたことに一因がある。一番人気は30年以上前からインドネシアでもお馴染みの「ドラえもん」だろうが、最近ではネットのおかげで人気あるキャラの多様化が進んでおり、日本人でも知らないようなコミックのファンや世界中のあらゆるキャラが人気ある。
今回の「ポケモンGO」リリース直後にも、すぐにポケモンはTシャツになって、町のあらゆる所で販売されている。例えば、ジャカルタの数少ない観光地の1つの「独立塔(モナス)」では、土産物店にモナスとポケモンのキャラを描かれたTシャツが大量に販売されている。観光地以外にも、一般市民が購入する露店などでも1枚100円から300円くらいで販売されている。
インドネシアではこのようなキャラクターは番組や映画が終了してからも人気があり、例えば「アナと雪の女王」は映画が終了してからも、そのキャラのTシャツは売れているし、ドラえもんのシャツはジャカルタでは何十年も人気がある。「ポケモンGO」のブームは沈静化してきたインドネシアだが、ポケモンTシャツの人気はしばらく続きそうだ。