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中国「歩きスマホ」で川に落ちて28歳女性死亡:ついに死者が出た、危険しかない「歩きスマホ」

佐藤仁学術研究員・著述家
「歩きスマホ」での川への転落事故を伝えるニュースより

中国の浙江省温州市で「歩きスマホ」をしていた女性が夜に川に転落して、溺死する事故が起きた。

■ついに死者が出た「歩きスマホ」

悲劇は2015年12月29日の夜20時22分に発生、28歳の女性が1人「歩きスマホ」をしていたら、真冬の寒い川に転落してしまった。悲劇の映像は防犯カメラにも記録されていた。川にはガードレールや柵などはなかった。戻らないことを心配した夫が翌日、心配になって近所を探したところ、川辺で妻の靴を見つけたとのこと。

夜の「歩きスマホ」でスマートフォンの画面に集中していたのだろう。足元の川に気が付かずに転落してしまったようだ。周囲には誰もいなかったので、誰も助けることができなかった。

「歩きスマホ」で転落死した女性は2人の子供の母親だそうだ。まさに「歩きスマホ」が生んだ悲劇である。

夜、周辺に誰もいない川に転落(防犯カメラの映像より)
夜、周辺に誰もいない川に転落(防犯カメラの映像より)

■「歩きスマホ」は命をかけてまでやることではない

日本でも駅や道路で「歩きスマホ」をしており、周囲が見えてない人が多い。「歩きスマホ」は自分だけは大丈夫と自己中心思考に陥りがちで、周囲の人に迷惑をかけるだけでなく、自分自身も危険な目に遭う可能性が高い。

また自分が事故に巻き込まれて、大怪我や死亡してしまうだけでなく、他人にまで怪我をさせてしまうこともある。つまり「歩きスマホ」によって加害者になってしまう危険もある。「歩きスマホ」は、とにかく危険である。

人命の方が「歩きスマホ」よりも遥かに重要なことは誰でもわかるはずだ。それなのに多くの人にとって「歩きスマホ」は今でも「わかっちゃいるけど、やめられない」のだ。

「歩きスマホ」は命をかけてまでやることではない。

ご冥福をお祈り申し上げます。

防犯カメラの画像で転落することがわかる。(chinatimes.comより)
防犯カメラの画像で転落することがわかる。(chinatimes.comより)
学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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