Facebook、人工知能(AI)を活用して囲碁のプログラムを開発中:人間の脳も活性化させる「囲碁」

(写真:アフロ)

Facebookは人工知能(AI)のディープラーニングを活用して囲碁の勝負ができるプログラミングを開発している。Facebookにとって人工知能による囲碁のプログラミング開発を通じてディープラーニングでの視覚情報処理を推進していきたい。

■人工知能(AI)に注力するFacebook

FacebookでCTOを務めるMike Schroepfer氏によると、囲碁の棋士らは、視覚によるパターン、つまり基盤上の視覚情報から、次の一手を読み取っていくそうだ。すなわち、どの碁石の配置が良いか悪いかを瞬時に直観的に判断するそうだ。Facebookは囲碁の基盤パターンの情報を利用して、基本的なプログラミングに視覚システムを組み込んでいこうとしている。まだ開発を開始して数か月程度だが、過去の人工知能(AI)技術による囲碁のプログラミングと勝負しても囲碁で勝ことができるそうだ。

囲碁には着手の選択肢が無限に近いと言われている。チェスが10の50乗、将棋が10の71乗に対し、囲碁は10の171乗でパターンがあるそうだ。これら無限大の囲碁の着手パターンを人工知能(AI)が学習することによって、強化され精度が高まっていくだろう。そしてFacebookとしては、囲碁のプログラミングを通じて得た人工知能(AI)のノウハウを活用して、例えば画像認識の精度を上げていくなどソーシャルメディアでのサービスに反映していきたいのだろう。最近では人工知能(AI)によるサービス向上はFacebookだけでなくGoogleなども積極的である。

■人間の脳の活性化を促す「囲碁」

Facebookは人工知能(AI)を活用しての囲碁のプログラミング開発だが、囲碁は人間の脳にとっても非常に良い刺激を与えると言われている。囲碁を通じて思考力、分析力、先見性、創造性の発達にも良いと言われている。また集中力や忍耐力もつけられることや大局的な物事の見方ができるようになることからも囲碁は注目を集めている。最近ではそのような効果が高く評価されて、多くの大学で囲碁が授業で取り入れられており、単位にもなっている。

■世界に広がる囲碁、戦略脳の開発にも効果的

また日本や中国、韓国といった囲碁が強い国だけでなく、最近では東南アジアでも囲碁への注目が高い。特にタイでは、囲碁の人気が高く、タイのセブンイレブンでCEOを務めたコルサック・チャイラスミサック氏は囲碁を戦略の師として「囲碁は具体的かつ複数の要素からなる戦略を必要とする唯一のボードゲームである。だから囲碁の対戦から、1つのことが別のきっかけになるということ、そして全体像に長期的な影響を及ぼすということを学べる。また囲碁から対戦相手の潜在能力を認識することができる。さらに何かを得るためには代償を支払う必要があることも悟らせてくれる。だから囲碁から戦略をもって行動する方法、そしてポリシーをもって人生を送る方法を学べる」とコメントしている。

■人工知能(AI)と人間が補完し合う世界を目指して

日本においても電気通信大学においてコンピューター囲碁のトーナメントがあった。コンピュータの囲碁ソフトは世界中で多くの人が開発しており、日本、韓国、フランスなどのソフトがあり、その囲碁ソフトのトーナメントが電気通信大学で行われ、優勝した囲碁ソフトがトッププロ棋士と対戦した。優勝した囲碁ソフトはトッププロ棋士に4子のハンディで勝利、3子のハンディでは負けている。

人工知能のような自己学習機能がない囲碁ソフトですら、人間と対戦して勝つのだから、いずれ囲碁でも人工知能(AI)が人間に勝つ時代がやってくるのだろう。FacebookやGoogleなどが競争で人工知能(AI)による囲碁プログラミングの開発に乗り出したとなると近い将来、ハンディなしで人工知能(AI)がトップ棋士に勝利する日が来るかもしれない。

しかし人工知能(AI)では囲碁の対戦パターンの学習はできるようになるだろうが、囲碁を通しての戦略的思考力や人間力は、生身の人間だけが身に付けられるものである。人工知能(AI)が人間をコントロールするというSFの世界ではなく、人工知能(AI)と人間が補完し合うという世界の実現の視点が重要である。