イスラエル 2万人の被害者が「パレスチナのテロ誘発ページ」を削除しないFacebookを集団提訴

(写真:ロイター/アフロ)

イスラエルでパレスチナ人とユダヤ人の争いが止まらない。10月になってからだけで既に10人以上のユダヤ人が殺害されており、日々攻撃の恐怖と脅威に曝されている。その攻撃はナイフや銃弾、投石といった物理的な攻撃だけでなく、Facebook上でも攻撃を誘発するページによる、攻撃の呼びかけが行われている。

■被害者2万人がFacebookを集団提訴

パレスチナ人によるユダヤ人攻撃を誘発したページをFacebookから削除しないということで、イスラエルNGOが主導してパレスチナの攻撃を受けた被害者20,000人のユダヤ人らが2015年10月末にニューヨーク州裁判所にFacebookを提訴したことが多く報じられている。2015年10月13日にエルサレムのバスで起きたパレスチナ人の襲撃で2人が死亡し20人以上が重体に陥った時の被害者で76歳のRichard Lankin氏も原告の1人だ。

Facebook上においてパレスチナ人がテロやユダヤ人襲撃を呼びかけているページ「Quds News Network」は約380万人のフォロワー、「Shehab Agency」には約430万人のフォロワーがいる。パレスチナ人に対する呼びかけの動画や襲撃している写真などが掲載されている。

■言論の自由とのバランス

今回2万人のユダヤ人がパレスチナ人が作成したイスラエルを襲撃することを誘発するページの削除または差止めを求めて、Facebookを集団提訴した。訴状は76ページにもおよぶ。損害賠償などの金銭上の請求はしてない。

インターネットの発達とスマートフォンの普及、ソーシャルメディアの発展によって、日常生活のコミュニケーションのツールやインフラとなった。それらを通じて誰もが簡単に自分の意見を述べる、情報発信を行えるようになった。但し、インタ―ネットやスマートフォンなどの情報通信技術自体は、政治的に中立である。武装組織や個人が宣伝する暴力的なメッセージを改変もしないし、誇張もしない。情報通信技術は、それを利用する者の意図のよって政治的な意味が変わるだけなのだ。

そして、ネット上のソーシャルメディアは、本来であれば、ユーザの言論の自由、表現の自由に基づき広く認められるべきものであり、安易に削除してはならない。今回のFacebookへのパレスチナ人の投稿を削除または差止める必要があるのか、言論の自由とのバランスも視野に入れて判断されると思われる。