Facebook、次の一手は僻地でネット接続:太陽光ドローン「Aquila」でやりたいこと

(Facebook)

2015年7月30日、Facebookは太陽電池とレーザーでインターネットに接続するドローンAquilaの計画を明らかにした。Aquilaは、民間飛行機よりも高い上空高度6万~9万フィート(約18,000~27,000メートル)で旋回する。Aquilaでは太陽光を利用するため90日連続で飛行することが可能。ボーイング737型と同じくらいの大きさで、1機のAquilaで半径50キロの地域で通信速度は10Gbpsインターネット接続が可能となる。まだテスト段階で具体的な商用開始時期は明らかにされていない。

Facebookはどうして、太陽光で動くドローンを開発してまで、世界中でインターネット接続を可能としたいのだろうか。

■「Internet.org」の一環。インターネットに接続されていない世界の僻地でネット接続

Facebookはインターネットにまだ接続されていない「次の50億人」にインターネット接続提供を目的として「Internet.org」を開始し、2014年7月から新興国の通信事業者と提携してFacebookなどいくつかのサイトに無料でアクセスできるアプリを提供した。これはすでにインターネットに接続できる環境に生活している人々を対象にしている。

今回の太陽光ドローンAquilaも「Inetrnet.org」の一環で、そもそもインターネットに接続できる環境にない地域で、インターネットに接続できる通信インフラをFacebookが提供するものである。Facebookによると全世界でまだ40億人の人がインターネットに接続できない。また世界の10%の人々がネットに接続できない僻地に住んでいる。そのような環境にいる人々でもインターネットに接続するために、太陽光ドローンAquilaでインターネットに接続できるインフラ環境を提供していく。

■まずはネット接続のインフラから、そして広告収入増へ

Facebookを毎日利用するデイリーアクティブ利用者(DAUs)は、2015年6月時点、全世界で前年同期比で17%増の9億6,800万人。月間アクティブ利用者数(MAUs)は、2015年6月時点、全世界で同13%増14億9,000万人だった。

そしてFacebookの2015年第2四半期の売上高は40億4,200万ドルで、そのうち広告売上高が38億2,700ドルと売上全体の95%が広告収入である。一方で、原価とR&Dなどの費用が82%増の27億6,900万ドルと大きく膨らんで、営業利益は前年同期比8%減の12億7,300万ドルだった。

Facebookにとって一番重要なのは、まずFacebookにアクセスして利用してもらうことである。Facebookにアクセスしない限りにおいては、広告収入にもつながらない。地域別の収入を見てみると、北米では1人当たりの収入が9.3ドル、欧州では3.36ドルに対して、アジア太平洋地域は1.29ドル、その他の地域(欧米、アジア太平洋以外)は0.90ドルしかない。Facebookの売上のうち74.4%が欧米からの収入であるものの、欧米での利用者は頭打ちである。

Facebookとしては欧米以外での新興国地域での広告収入を増加させていきたい。そしてFacebookとしては新興国地域などでインターネットに接続できなかった人々に対して「Internet.org」のアプリを現地の通信事業者と提携して提供を開始した。

今度は世界の僻地やネット接続環境にない人々に対して、太陽光ドローンAquilaを用いて「インターネットに接続するためのインフラ」の提供をしていこうとしている。そもそもインターネットに接続できなければ、Facebookにもアクセスできない。Facebookはアクセスしても、広告収入にもつながらない。Facebookとしては太陽光ドローンAquilaを開発してまでも、世界中の全ての人がインターネットに接続してもらうことが重要である。

太陽光ドローンAquilaはFacebookにとっても決して慈善事業ではない。投資した費用はきちんと回収しなくてはならない。