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アメリカのユタバレー大学で「歩きスマホ」専用レーン

佐藤仁学術研究員・著述家
(Utah Valley University)

「歩きスマホ」の問題は日本だけではない。世界中どこでも同じである。欧米でも多くの人が「歩きスマホ」をしている。スマートフォン、携帯電話が普及している現在では東南アジアやインドのような新興国でも「歩きスマホ」とそれによる事故は問題になっている。

学校内でも歩きながらスマートフォンの画面をのぞいている学生は日本と同じようにたくさんいる。

そのアメリカにあるユタバレー大学で2015年6月、階段を、左から「WALK(普通に歩く)」「RUN(急いでいる学生が走る)」「TEXT(歩きスマホ専用レーン)」の3つに分割する試みがあったと報じられている。目立つようにネオグリーンの表示で記載している。教室に入って来る時もスマートフォンの画面ばかりを見つめて、ゆっくり歩いてくるので遅刻する学生が多すぎると問題になっていたようだ。

ただし「歩きスマホ」をしている学生らはスマートフォンに集中しているから「TEXT(歩きスマホ専用レーン)」が目に入らないだろうから、本当に守られるかどうかは懐疑的であるとの意見も多い。

学生や若者の「歩きスマホ」は世界中どこでも同じである。アメリカでは10代の若者が「ながら歩き」をしている時にやっていることは、「歩きスマホ」(39%)、「ヘッドフォンで音楽を聞く」(39%)という調査結果がある。

アメリカでは過去にも2012年4月に、フィラデルフィア市で「歩きスマホ」専用道路「e-lane」を1週間だけ、トライアルで導入してみたことがある。また首都ワシントンDCで2014年7月にナショナルジオグラフィックのテレビ番組の企画で「歩きスマホ」専用レーンと「通常の歩道(歩きスマホ禁止)」レーンを作って、人々の行動を見るという実験を行ったことがある。

また日本と同じように、アメリカでもあらゆるところで『「歩きスマホ」に気を付けよう』といった張り紙や注意書きはよく目にする。それでも「歩きスマホ」は一向に減らないのだろう。

スマートフォンが普及して、あらゆる情報がスマートフォンの中に集約されるようになった。SNSやらメッセージ、ゲーム、ニュース、動画閲覧など気になって仕方ないのは世界中共通である。そしてほとんどの人は「歩きスマホ」が危険なことは頭で理解しているし、他人がやっている「歩きスマホ」にはイライラして邪魔でしょうがない。それなのに、自分の「歩きスマホ」は、"わかっちゃいるけど" 止められないのだ。

事故にあってからでは遅い。日本でも中学生が駅で「歩きスマホ」をしていてホームに落下するという事故があった。「歩きスマホ」は命をかけてまですることではない。ちょっと立ち止まるなどの工夫をすればいいことだ。

それでも「歩きスマホ」が減らないのなら、世界中の道路や階段で「歩きスマホ専用レーン」が当たり前の光景になる日が近いかもしれない。

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(Utah Valley University)

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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