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冷凍庫に常備したい!井村屋の「冷凍和菓子」シリーズが優秀すぎる

笹木理恵フードライター
※トレー入りなのも便利 ※筆者撮影

冷凍なのに本格的なおいしさが話題!井村屋の冷凍和菓子シリーズ

冷凍和菓子シリーズは、現在4品が販売中  ※画像提供/井村屋
冷凍和菓子シリーズは、現在4品が販売中  ※画像提供/井村屋

「あずきバー」に代表されるアイスや、肉まん・あんまん、ようかんなどの和菓子など、幅広い商品を手掛ける井村屋。1896(明治29)年、ようかんの製造から始まり、和菓子を中心に成長を遂げてきた同社が、2021年3月より新たに展開しているのが、冷凍和菓子シリーズ。現在、「大福(つぶあん)」、「きなこおはぎ(つぶあん)」「あん入黒糖わらび餅(こしあん)」、「あったか餅入りぜんざい」の4品を展開しています。

筆者も早速いただきましたが、どれも冷凍とは思えないおいしさ!クオリティの高さに驚くとともに、冷凍技術の進化を実感しました。さらに、原材料はつぶあん、もち米、きな粉などシンプルで、必要以上に添加物が使われておらず安心して食べられるのも大きな魅力です。

原材料がシンプルなのも魅力 ※筆者撮影
原材料がシンプルなのも魅力 ※筆者撮影

開発の経緯について、井村屋の開発部菓子チーム・三浦さんは次のように語ります。「ライフスタイルの変化やフードロスの問題などの観点から、冷凍の需要が拡大すると考え、一般的に日持ちのしづらい和菓子を冷凍商品として提供しようと考えました。開発に当たっては、あずきバーや肉まん・あんまんなどの冷凍食品で培ってきた冷凍設備や技術、全国への流通チャネルが役立ちました」。

電子レンジでの時短調理を可能に

食べたい分だけ、電子レンジで時短解凍して食べられる ※筆者撮影
食べたい分だけ、電子レンジで時短解凍して食べられる ※筆者撮影

冷凍食品市場の拡大とともに、冷凍のスイーツも年々増えてきていますが、冷蔵庫で数時間解凍が必要な商品が少なくありません。そうした中、冷凍和菓子シリーズは電子レンジで数十秒解凍するだけで食べられる点を売りにしており、利便性の高さが魅力です。さらに、冷凍にすることで、糖度を抑えたり、もちもち感をキープできたりというおいしさの面でのメリットもあります。

「冷凍和菓子は長期間保存が可能で、家庭に常備できるのが最大の特徴ですが、反面、溶かすのに時間を要するというデメリットがあります。以前から販売している商品についても、解凍時間の制約がお客様の不満足につながるケースが多々あったことから、冷凍和菓子シリーズは、電子レンジによる時短解凍を実現しました」(三浦さん)。

こしあんはなめらか、おはぎはもちもち!  ※筆者撮影
こしあんはなめらか、おはぎはもちもち!  ※筆者撮影

冷凍和菓子シリーズは、自然解凍の場合は室温で2時間、電子レンジの場合は、500~600Wで20秒解凍したのち、室温で5~10分おいて温度ムラを解消すると、おいしく食べられるそう。1個ずつトレーに入っているので、食べたい分だけ取り出せるのも魅力です。

ぷるんとしたわらび餅に、なめらかなこしあんが入った「黒糖わらび餅」や、きな粉の風味が香ばしい「きなこおはぎ」、あずきの豊かな風味が味わえる「大福」。どれも電子レンジでチンしたとは思えない味わいですが、時短解凍とおいしさの両立には難しさも伴い、今回の発売に至るまでに何年にもわたって商品改良が続けられてきたそうです。「お店と同じような冷凍ショーケースを開発用に2台購入して売り場と同じ環境を作り上げ、品質テストを繰り返して試行錯誤の末、ようやく完成しました」(三浦さん)。

売り場で目を引く、シンプルで大胆なパッケージ

派手なデザインが多い冷凍食品売り場で目を引く、シンプルなデザイン ※筆者撮影
派手なデザインが多い冷凍食品売り場で目を引く、シンプルなデザイン ※筆者撮影

冷凍和菓子シリーズは、光沢のあるパッケージに大福やわらび餅の写真が印刷されたシンプルなデザイン。シリーズであることがわかりやすく消費者に伝わり、売り場で目を引きます。「冷凍食品のメイン購買層は、一般的に和菓子を好む年齢層よりも低いことから、そうした方々の目に止まるようなデザインを意識しました。冷凍和菓子の最大のウリである“出来立てのようなおいしさ”をしっかりと訴求するため、シリーズ共通で「包みたてのおいしさそのままフローズン」とキャッチコピーを記載しています」(三浦さん)。

あったかいぜんざいは、小腹満たしにも最適 ※筆者撮影
あったかいぜんざいは、小腹満たしにも最適 ※筆者撮影

発売後、SNSなどでは「冷凍とは思えない柔らかさ!」、「まるで出来立てのよう」と評価の声が多く、売れ行きも好調。とくに春から夏にかけては、わらび餅が人気だったそうです。これからの季節におすすめなのは、「あったか餅入りぜんざい」。あずきの風味豊かなぜんざいに、もちもちのお餅が入った本格的な味わいを、ミニカップで楽しめます。「冷凍食品の中でもスイーツのカテゴリーは徐々に拡大しており、弊社でも冷凍和菓子の商品ラインナップを充実させるため、新商品の開発を進めています。和菓子のよさである“季節感”をより強調した商品も投入しながら、年間を通じてお客様に喜んでいただける商品を展開していきたいと考えています」(三浦さん)。

大福やおはぎといった日持ちのしない和菓子を、冷凍庫に常備しておいていつでも食べられる(しかも電子レンジで解凍してすぐに!)冷凍和菓子シリーズは、買い物の回数を減らせたり、おうち時間の楽しみになったりと、コロナ禍での利便性は大きく、活躍のシーンも多そうです。願わくは、和菓子離れが進む若い世代に、和菓子に親しむきっかけになればと思います。

フードライター

飲食業界専門誌の編集を経て、2007年にフードライターとして独立。専門誌編集で培った経験を活かし、和・洋・中・スイーツ・パン・ラーメンなど業種業態を問わず、食のプロたちを取材し続けています。共著に「まんぷく横浜」(メディアファクトリー)。

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