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パリパラへ向け漕ぎ出した!パラ水泳マデイラ2022世界選手権が閉幕。日本代表の帰国コメント

佐々木延江国際障害者スポーツ写真連絡協議会パラフォト代表
マデイラでの日本選手団 提供:日本パラ水泳連盟

コロナ禍で行われた東京パラリンピック閉幕から約8ヶ月。1年延期となっていたパラ水泳世界選手権が6月12〜18日にマデイラ(ポルトガル)で開催され、日本代表選手16名(男子8名・女子8名)は日本過去最多の金3個を含む20個のメダルを獲得。6月20日19時すぎ、イスタンブール経由で羽田空港に帰国した。

マデイラ2022パラ水泳の潮流

参加59か国中世界トップは、金メダル27個を獲得し2連覇となるイタリアで、混合4x100mフリーリレーで世界記録(4:02.53)を達成した。

続いて世界2位は、女子200mS3世界記録(3:16.95)を含む7個の金メダルを獲得したレイニー・スミスなどゴールドラッシュのアメリカ、3位はスペインで、ナスタシヤ・ドミトリフが女子100m平泳ぎSB8でパラリンピックチャンピオン・エレン・キーン(アイルランド)を破り13歳のスターが誕生した。

今大会にロシア、ベラルーシ、中国の強豪3カ国はエントリーがなく、戦時下のウクライナからは23名(男子17名・女子8名)が出場していた。

日本は14位だった。

チームトビウオパラジャパンの活躍

上垣匠日本代表監督は、「チームは3月の選考会後、1ヶ月の短期集中型の強化を実施し、東京パラ主力の木村敬一(東京ガス)、山口尚秀(四国ガス)、鈴木孝幸(GOLDWIN)、富田宇宙(EY Japan)らを中心にピーキングを合わせることに成功した」と、大きな成果を得たことを報告。

とくに直前合宿を会場に近いポルトで行い、この期間の取り組みが「職人的だった」と評し、開催地マデイラに入ってからも雰囲気を維持し続けることができたとしている。

また、今大会では、小野智華子(あいおいニッセイ)、斉藤元希(国士舘大学パラスイムチーム)、日向楓(宮前ドルフィン)、由井真緒里(上武大学)が、上位ライバル国(ロシア・ベラルーシ・中国)の選手が不在のなかではあるが世界選手権で新たにメダリストとなった。「成功体験を積むことでパリパラリンピックへのステップになった」と評した。

さらに「リレー種目では、視覚障害49ポイントで銅メダルを獲得でき、日本の強みであるブラインドクラスの存在感を確認できた一方で、パリ種目の4x100mフリーリレーで惜しくも4位となったことは今後の課題となった」と振り返った。

チーム全体としては、新たなキャプテンとして、辻内彩野(三菱商事)、斉藤元希を中心に新たなメンバーが日本代表に加わった。新メンバーのうちメダルはなかったが東京パラリンピックに続いて世界を経験した南井瑛翔(近畿学)は、「東京の時は周囲に圧倒されたが、今回は自分のレーンをみてレースに集中できた。自己ベストを更新し、あと一歩で決勝が見え自信になった」と話していた。パラ水泳はパリを見据えるチームとして第一歩を踏み出したようだ。

初めて主将として挑んだ辻内は、女子100m自由形で銀、50m自由形で銅と2つのメダルを獲得した。

「100mではベストタイムで泳いでいたら金メダルだったというすごく悔しい思いをしましたが、初出場の日向や由井のメダル獲得、多くの日本記録更新を達成でき、自分の事のように嬉しく思っています」と大会を振り返った。

依然としてコロナ禍が続くなか今秋予定されていたアジア大会が1年延期となり、世界選手権(マンチェスター)と共に来年となったことについて「マンチェスターとアジアパラ、そして2024パリに向けてとても良い幕開けになったのではないか」と今後への意欲を見せ、大会期間中多くのメッセージで声援をもらったことに感謝を込めていた。

以下メダルの記録とメダリストのコメント

木村敬一(東京ガス)

「東京パラリンピックの翌年に、このような結果を出すことができ、大変嬉しく思っております。今後もパフォーマンスを上げられると信じて頑張っていきたいと思います」

・50m自由形 PV:26.52 予選:27.69(5位)決勝:26.96(3位)

・100mバタフライ PV:1:01.17 予選:1:04.95(2位)決勝:1:02.68(1位)

・100m平泳ぎ PV:1:10.90 決勝:1:14.25(2位)

・混合400mメドレーリレー49pts 決勝:4:38.66(3位)小野,木村,齋藤,辻内

山口尚秀(四国ガス)

「100m平泳ぎS14で金メダルを獲得した。メダルのデザインはシンプルでありながら、重厚感があった。

今回の大会では、予選での泳ぎの進み具合が良く、後半でもスピードに乗れた。

この感覚を上手く駆使すれば東京パラリンピックで出した記録よりも大幅に更新出来ると確信しています」

・100m平泳ぎ PV:1:03.77 予選:1:04.70(1位)決勝:1:04.46(1位)

鈴木孝幸(GOLDWIN)

「今回の世界選手権では、出場種目全てでメダルを取ることが出来ました。課題も見つけられた大会になりましたので、今後少しでもタイムが上げられるように努力していきたいと思います。応援ありがとうございました」

・50m平泳ぎ PV:48.49 予選:52.34(3位)決勝:51.12(3位)

・100m自由形 PV:1:21.53 決勝:1:23.36(2位)

・50m自由形 PV:37.47 予選:39.43(3位)決勝:38.99(3位)

富田宇宙(EY Japan)

「連日の応援ありがとうございます。大会直前にコロナウイルスに感染し非常に難しい状態での大会参加となってしまいましたが、日々できることを精一杯やってここまでに3つのメダルを獲得することができました。

この大会で結果を出すために積み上げてきたトレーニングの成果だと思っています残りのレースも自分にできる最大限のパフォーマンスをし、結果を残したいと思います。応援よろしくお願いします」

・100mバタフライ PV:1:02.56 予選:1:04.30(1位) 決勝:1:03.64(3位)

・200m個人メドレー PV:2:28.44 決勝:2:28.17(3位 PB)

・100m自由形 PV:58.49 予選:59.51(2位)決勝:58.91(2位)

・400m自由形 PV:4:31.69 予選:4:45.91(2位) 決勝:4:40.65(3位)

辻内彩野(三菱商事)

「前回大会では悔しい思いをした100m自由形でメダルを獲得する事ができ、とても嬉しい気持ちとベストタイムで泳いでいたら金メダルだったという悔しい気持ちが入り交じっています。

またメドレーリレーでのメダルは予想以上に嬉しく、これからの自信に繋がるものとなりました。ご声援ありがとうございました」

・100m自由形 PV:0:59.95 決勝:1:00.53(2位)

・混合400mメドレーリレー49pts 決勝:4:38.66(3位) 小野,木村,齋藤,辻内

・50m自由形 PV:27.59 決勝:27.85(3位)

由井真緒里(上武大学)

「初めての世界選手権でメダルを獲得できると思っていなかったので、本当に嬉しかったです!」

・200m個人メドレー PV:3:45.97 決勝:3:47.10(3位)

・200m自由形 PV:3:09.70 予選:3:12.21(3位)決勝:3:12.11(3位)

斉藤元希(国士舘大学パラスイムチーム)

「リレーでメダルを獲得することができ、3人のリレーメンバー、サポートしてくださった方々に感謝の気持ちでいっぱいです。チームだからこそ出せた泳ぎでした。ご声援ありがとうございました」

・混合400mメドレーリレー49pts 決勝:4:38.66(3位)小野,木村,齋藤,辻内

・400m自由形 PV:4:25.10 予選:4:30.45(5位) 決勝:4:22.31(3位 NR,PB)

小野智華子(あいおいニッセイ)

「今回、リレーでメダルを取ることができ、本当に嬉しかったです。 私自身、思うような記録を出すことはできませんでしたが、仲間に恵まれ、このような結果を出すことができたと心から感謝しています。これから、メインの 100m 背泳ぎがあるので、個人としてしっかりと記録を残し、メダルを取りたいと思います」

※100m背泳ぎのレース前のコメントです。

・混合400mメドレーリレー49pts 決勝:4:38.66(3位)小野,木村,齋藤,辻内

・100m背泳ぎ PV:1:21.07 決勝:1:22.80(1位)

日向楓(宮前ドルフィン)

「得意種目としている50mバタフライ、50m背泳ぎで2位3位という結果を残せたことがとても嬉しいです」

・50m背泳ぎ PV:39.39 決勝:37.98(3位 NR,PB)

・50mバタフライ PV:35.37 予選:35.55(2位)決勝:35.06(2位 NR,PB)

(資料提供:日本パラ水泳連盟より)

※この記事は2022年6月22日にパラフォトに掲載したものと同じ記事です。

国際障害者スポーツ写真連絡協議会パラフォト代表

パラスポーツを伝えるファンのメディア「パラフォト」(国際障害者スポーツ写真連絡協議会)代表。2000年シドニー大会から夏・冬のパラリンピックをNPOメディアのチームで取材。パラアスリートの感性や現地観戦・交流によるインスピレーションでパラスポーツの街づくりが進むことを願っている。

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