店頭で買えるイーコマースとは?

(写真:アフロ)

●はじめに

みなさん、こんにちは。現在のインド国内インターネット人口3億5千万人のうち、75%が都市部におり、農村部のユーザーは20%以下といわれています。グーグル・インディアのニティン・バワンクレ氏は「次の大きな流れとしては、2億5千万人以上のインターネットユーザーが農村部から出現することであり、eコマース事業者はこの需要に対応する準備をしなければならない」と言及しており、農村部のインターネットユーザーは今後無視できない存在になっています。今回は、農村部でのeコマース活動を支える企業の取り組みを紹介したいと思います。

●店頭型eコマースとは?

最近、店頭型eコマース(assisted e-commerce)と呼ばれるサービスを提供するスタートアップが台頭してきています。代表格として、バンガロールのStoreKingやハイデラバードのKyosskといった企業があげられます。1200を越す町でサービス展開するStoreKingの場合、小売店(キラナ)に液晶ディスプレイ付きのキヨスクかタブレットを設置させてもらい、自社の提供する8万以上の商品カタログを閲覧できるようにしています。それを見た顧客が欲しい商品を選び、小売店の店員に支払いを済ませ、後日購入した商品がその小売店で配達されたら受け取りにくるというビジネスモデルであり、もちろん小売店はStoreKingから販売コミッション(6~10%)を受け取ることができます。ちなみに小売店が負担するキヨスク/タブレットの設置費用は1万ルピー以下であり、すでに1万7千台以上の設置実績があります。まだインターネットを利用できず、オンラインショッピングのやり方もわからない農村部の人々にとっては、とても利便性の高いサービスとして人気を集めています。キヨスクを通じた店頭型eコマースのサービスは、物販にとどまらず、電子決済を用いてエンターテインメントや教育コンテンツ、バスチケットなどの購入を可能にしています。

●今後の課題と展望は?

Kyosskは、より小さな都市圏にデジタルスタートアップサービスと顧客を結びつけるプラットフォームの構築を目論んでおり、各種料金の支払い、デジタルウォレットの新規開設とチャージ、国内送金、身分証明書や納税者カード、パスポートの申し込みも可能にする予定です。しかし、これらの実現には大きなハードルが立ちはだかっており、キヨスクを設置させてもらえる小売店の獲得と、そのオーナーの教育が特に難しいと考えられます。事実、StoreKingは小売店の教育に3ヶ月を費やし、多言語対応した専門のカスタマーサポート部隊も用意しています。StoreKingのこのような農村部にeコマースを普及させる活動を評価し、業界大手のAmazonは今月StoreKingと独占契約を結びました。Amazonは2014年にUdaan Initiativeというプログラムを発動し、農村部の起業家(多くは小売店経営者)を選抜し教育を施すことで、オンラインショッピングに対して不信感を抱いている農村部の人々へ自社のサービスを普及させる運動をしており、StoreKingの持つ広範囲のネットワークやノウハウを取り込みたい考えです。農村部でのeコマースの広がりは日系企業にとっても追い風になると思います。

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