インドで急成長するフードテックとは?

レストラン風景(写真:アフロ)

●はじめに

皆さん、こんにちは。インドでレストランを探すときにゾマト(Zomato)というサービスを使ったことはありますでしょうか?日本でいうと食べログのようなサービスですが、レストランのレビューや評点をチェックできるので便利です。ゾマトはフードテックと呼ばれる業界の最大手です。フードテックは外食産業や食品小売対象のO2Oサービス(Online To Offline)の総称ですが、インドではeコマース、タクシー、不動産と並んでスタートアップが乱立する非常に活気のある業界です。

●フードテックにはどんな種類がある?

フードテックは大きく3つの領域に分けられます。

1.ディスカバリー領域

店舗検索、料理人派遣、クーポンなど検索から来店/サービス利用を促進するもの。

企業例:Zomato、ChefHost、MeDineなど

2.デリバリー領域

食料雑貨の配達、自炊セット宅配、オンラインオーダーサービス。

企業例:Foodpanda(本社ドイツ)、 BigBasket、PepperTap,、TinyOwlなど

3.OTT領域(Over the top=より高い利便性を追求した先進的サービス)

店舗内支払い、店舗内注文、座席予約など、店舗内でのオペレーションを助けるもの。

企業例:Momoe、 DineOutなど

●フードテックの歴史は?

インドにおけるフードテックの歴史はまだ10年ほどであり、2006年に登場したBurrpが最初のフードテックスタートアップと言われています。Burrpはレストラン検索にレビュー機能をつけることでユーザーを増やし、有料のプレミアムリスティングやバナー広告などで収益化を進めました。しかし、スマートフォンの普及によって、ディスカバリー領域で競う企業は従来のビジネスモデルでは事業規模の拡大に限界を感じるようになりました。2012年からはオンラインオーダーサービス(デリバリー領域)を促進するために、クーポンや値引き合戦が激化しましたが、この領域ではFoodpandaが圧勝しています。なお2015年末にはインド国内に335ものスタートアップがデリバリー領域に存在していることがTracxnの調べで明らかになりました。2015年は順調に成長を続けていたフードテックスタートアップの事業縮小が目立ちました。広告やプロモーションが飽和状態になり、ユーザー獲得が飽和したことと、主要都市以外での需要の少なさや投資家からのプレッシャーにより選択と集中を迫られた結果になります。

●今後のフードテック市場は?

インド全体の食品サービス市場は480億ドルあり、そのうちチェーン店や営業許可を取得している独立店の市場が140億ドルあり25%以上の成長率です。また全国平均では食費が人々の生活費の半分以上を占めていることや、経済成長に伴って食生活や味覚への変化を欲することが予測されており、今後もフードテックが大きく関与する余地があります。食品サービス市場は成長するとはいえ、似たようなサービスを提供するプレイヤーが非常に多いため買収による企業統合が進むと予測されます。Tier-1と呼ばれる主要都市(デリー、ムンバイ、チェンナイ、コルカタ、バンガロール、アーメダバード、ハイデラバード、プネ)では好調なフードテック企業も、中規模都市であるTier-2では苦戦を強いられています。Grofersも9つのTier-2の都市から、Zomatoも4都市から撤退しました。原因としては、人口の少なさと、オンラインよりもリアルショッピングを好む客層が多いこと、求められる商品の地域差に対応できなかったことがあげられます。対照的にBigBasketは2016年もジャイプールやチャンディガールなど新たに6つのTier2都市に、オーガニック野菜配達のFreshboxxも数都市に新規展開予定です。

●まとめ

フードテック業界は、インド全体での食品サービス市場規模を考えると有望なマーケットです。一方で、似たようなサービスを提供するプレイヤーが増えて競争が激化しており、ターゲットを大都市から中規模都市に移す段階で、地域に合わせたローカライズを求められています。こういった困難を乗り越えたスタートアップが5年後どうなっているか楽しみです。

※こちらの記事はインドのフリーペーパー「シバンス」へ連載中の記事を転載したものです。