インドeコマースの2016年トレンド予想

はじめに

みなさん、こんにちは。2016年も始まりました。今回は、昨年末のディワリ・セール(インドの祭日に行われたセール)を振り返りながら、2016年のeコマースのトレンドを予測してみたいと思います。

ディワリ・セールはどうだった?

アマゾンのグレート・インディアン・フェスティバル・セール、フリップカートのビッグビリオン・デイズ・セール、スナップディールのファイブ・デイ・ディワリ・セールが実施されました。一昨年(2014年)のセールでは、フリップカートは技術や物流の欠陥により、オーダーが勝手にキャンセルされてしまったり、商品が予定通り届かず、顧客にお詫びする事態になりました。今回は同じ失敗しないようにいくつかのステップを踏みました。まずセール期間を1日だけでなく10月13日から17日と5日間に広げました。販売するカテゴリは、初日はライフスタイルとアパレルから始め、1日1カテゴリずつ追加しました。2日目には家電が追加され、50万台の携帯電話が10時間で売り切れたようです。セールの準備として物流エリアを広げ4つの倉庫を追加しました。効率的な配送のため2万人近いデリバリー・ボーイを配置しました。フルフィルメントセンターも13ヶ所から16ヶ所に増やしました。結果2年目のフリップカートの「ビッグビリオン・デイズ・セール」はGMV(Gross Merchandise Volume)で、3億ドル以上の販売を記録しました。数字は昨年の3倍以上になりました。競合のスナップディールは、ディワリ当日まで毎週月曜日にセールを続けて、昨年同時期に比べ7倍拡大しました。広告という意味では、各社は巨額の投資を行いましたが、コミュニケーションにおいては、はっきりした差別化はありませんでした。フリップカートは「期間限定」を訴求し、アマゾンは家庭用品、アパレル、電気製品、贈答品などの「祭日のニーズ」に注力しました。スナップディールは、ボリウッド俳優のアミール・カーンを使って、愛する人のために贈答品を買ってもらうことに注力しました。アマゾンとフリップカートは10月13日から17日まで並行してセールを走らせることになりましたが、スナップディールは、週1日だけを選んで競合との争いを避けました。こうしてみると昨年のディワリ・セールは大きな問題も発生せず、各社とも売上を伸ばしており成功だったと言えます。一方で顧客から見たときには、値引き一辺倒で、顧客のロイヤリティを獲得できたとはいえませんでした。

2016年のトレンドはどうなる?

今年のトレンドについて3つの観点で予測してみました。

1.仮想マネーによる経済圏づくり

ペイティーエムはeコマースで買い物した際のディスカウント分を仮想マネーで還元し、オラ・キャブ、オヨ・ルームスは決済手段の一つとして自社の仮想マネーを提供している。仮想マネーの流通量が増えれば、消費先のサービスが必要になり、新規ビジネスも立ち上げやすくなる。日本では楽天が、楽天スーパーポイントを使って一大経済圏を築きましたが、自社ポイント(仮想マネー)を使った顧客囲い込みが始まるかもしれません。

2.決済手段が変わる

キャッシュ・オン・デリバリー(代引き)はキャンセル率が高く、eコマース業者に多大な負担をかけています。上記の仮想マネーとも連動しますが、今後はオンラインペイメントの比率が上がってくると考えられます。

3.モバイルへの更なる投資

インドではスマートフォンが年間8000万台売れています。PCより先にスマートフォンが普及している状況です。昨年はミントラがPCのウェブサイトを閉じて、スマホのアプリに特化するということで話題になりました。ですが顧客からはスマホだけだと使い勝手が悪いというクレームがあったようです。各社がモバイルの機能をどう使い、どうアプリを改善していくか興味があります。

まとめ

今回の記事はいかがだったでしょうか?日本とは全く違う背景でインドのeコマースは成長しています。日本にはない新しいサービスを使ってみると、インドでの生活も楽しくなるかもしれません。2016年もよろしくお願いします。

こちらの記事はインドのフリーペーパー「シバンス」に連載中の記事になります