前年比3倍?インドのeコマース商戦期を予想

●はじめに

今年もディワリの季節(インドの新年を祝う祭日)が近づいてきました。昨年を振り返ると、ディワリ前に各社eコマースが大規模なディールを行い、売上を大きく伸ばしました。特にフリップカートは10時間で100億円以上の売上を記録。一方で、大幅な値引きで実店舗からの反発を食らい、急激なアクセス増によりシステムトラブルを引き起こし経営者が謝罪するという事態に陥りました。色々トラブルもありましたが、話題を提供し、eコマース利用者のすそ野が一気に広がったという意味では、昨年はeコマース元年だったと言えるかもしれません。

●今年のディワリはどうなる?

さて今年のディワリ・ディールについて予想してみたいと思います。

1.アップ・オンリー(APP ONLY)のディール

モバイル・アプリのダウンロードを促進するため、アプリから購入するとインセンティブがある、もしくは値引きがあるというディールになります。特にフリップカートが力入れるポイントかと思われます。

2.商品カテゴリの拡大

昨年は携帯電話、タブレット、ファッション、ディワリギフトなどが売れ筋でしたが、今年は家具、キッチン用品、ベビー用品、自動車・バイク関連商品など商品カテゴリが拡大することが予想されます。昨年以上に実店舗の売上を奪っていく可能性があります。

3.ペイティーエム(Paytm)が新規参入?

トップ3社に加え、アリババが出資するペイティーエムがディールを実施する可能性があります。元々はモバイル決済の会社ですが、今はeコマース(マーケットプレイス)に力を入れています。元々ユーザーが5000万人近くいたというのもありますが、急激に売上を伸ばしています。

●トップ3社の見通しは?

トップ3社でマーケット全体の約8割を占めると言われています。

トップ3社の今後の見通しを見てみたいと思います。eコマースの規模を図る際に、総取引量、GMV(Gross Merchandise Value)という指標が使われます。この数字をグラフにしてみました。

3社のGMV推移
3社のGMV推移

※フリップカートは経営者の発言を元に作成。2017年度、2018年度は私の予想

※スナップディールは経営者の発言を元に作成。2017年度、2018年度は私の予想

※アマゾンは非公開のため、フリップカートとスナップディールの平均値

2015年度で約6000億ルピーだった3社合計が2016年度で1.6兆ルピーになり、約3倍になっています。2016年度の数字には今年のディワリの数字が含まれています。今年のディワリ・ディール次第で3社のランキングが変動する可能性があります。特に2016年3月時点でトップになると宣言しているスナップディールの動きに注目です。

●まとめ

今回は、ディワリ前ということでディールの予想をしてみました。昨年のディールは失敗も多かったですが、今年は各社十分に準備して臨んでくると思います。システム、配送などのサービスレベルを担保するのは当然ですが、各社がどんな新しいチャレンジをしてくるか楽しみです。

(この記事はインドのフリーペーパー「シバンス」で連載している記事になります)