インドオンライン小売の規制緩和がもたらす影響は?

2週間ほど前の記事になるが、モディ首相が早ければ来月にもオンライン小売のFDI(海外直接投資)の規制を緩めるかも、というニュースがあった。インドの小売規制は厳しいことで有名だが、オンライン小売はこれまで外資が行うことができなかった。

ではAmazonはどうしてインドでビジネスができていたのか?実は自社在庫を持たず、マーケットプレイスという形式をとっていた。

ユーザーから見ると見分けが付きづらいが、在庫の持ち方によってイーコマースは2種類ある。

1)マーケットプレイス型(在庫リスクは出品者が持つ)

購買者と出品者(出店者)のマッチング。購買者がオーダーすると、出品者が商品を届ける。(ただしAmazonのフルフィルメントのようにマーケットプレイスが商品配送などを代行する場合もある)

2)自社ECサイト型(在庫リスクは自社で持つ)

購買者がオーダーすると、自社在庫から購買者へ商品を配送。

マーケットプレイス型と自社ECサイト型
マーケットプレイス型と自社ECサイト型

別の言い方をすれば、個人商店を集めてモール化したものがマーケットプレイスになる。ただし、ネット上には土地(不動産)の概念がないので、個人商店を持ちながらモールへも同時に出店ということが可能である。

仮に、FDIの規制が緩和されるとAmazonが自社ECサイト型を行うことができるようになる。在庫リスクをわざわざ自社で取る必要がないのではないか?と思われるかもしれないが、在庫リスクを取ることで商品の大量仕入れが可能になる。そうすると他社にできないディスカウントが可能になる。競合であるFlipkartは、規制緩和でメリットを享受できるのはAmazonだけではないか?と反対している模様。

今後、イーコマースの業界再編が十分に考えられる。

1)価格競争がより激化して、中堅以下の自社ECサイトが立ち行かなくなる

2)中堅の自社ECサイトは、マーケットプレイスに依存するようになる

3)マーケットプレイスは、物流などカスターマーサービス強化で差別化を図る

オンライン小売の規制緩和が結果として、大手マーケットプレイスを強める結果になるのは皮肉である。一方、これまで日の当たらなかったインドの製造業がマーケットプレイスによりビジネスを拡大できるチャンスもある。

【ニュース参照元】

Narendra Modi likely to allow FDI in e-commerce in Budget, move to benefit online retailers Amazon, eBay

Flipkart not in favour of FDI in online retail sector; says will benefit only one company