米映画アカデミーが新会員を発表。日本からは大友克洋、押井守ら

「スパイダーマン」のトム・ホランド(23)もアカデミーの仲間入り(写真:REX/アフロ)

 米映画アカデミーが、米西海岸時間1日(月)、今年新たに招待した映画業界人の名前を発表した。「#OscarsSoWhite」批判が爆発して以来、女性、マイノリティ、若い人を増やす努力をしてきたアカデミーだが、今年も842人という大人数に声をかけている。史上最高記録だった昨年の928人には劣るものの、そのうち50%が女性、29%が白人以外の人種で、努力の姿勢は明らかだ。

 会員のクオリティを落とすことなく、これらの人々を増やしていくにあたり、近年、アカデミーは、海外の映画祭などではおなじみなのにこれまで見逃されがちだった外国人映画監督や俳優を、積極的に呼び込んできた。さらに、キャスティングディレクター、パブリシスト、映画会社のエグゼクティブなど、比較的地味な部分にも注目してきている。衣装デザイン、ヘアメイクなどは、女性を増やすのに絶好。多様な人種が働くビジュアルエフェクトにも、優秀な人材がたっぷりいる。

 その傾向は今年も明らか。日本からも、今年は俳優は誰も入らなかったが(日系人女優タムリン・トミタは入っている)、大友克洋(『AKIRA』『スチームボーイ STEAMBOY』)、押井守(『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』『スカイ・クロラ The Sky Crawler』)、なかむらたかし(『ハーモニー』)、斎藤優一郎(『未来のミライ』のプロデューサー)、西山茂(『未来のミライ』の編集)など、アニメ界の人々が入った。ほかには「万引き家族」の装飾を手がけた松葉明子、「沈黙-サイレンス-」のヘアメイクの高崎光代、「海猿」「疾風ロンド」などの撮影監督を務めた佐光朗、「2012」「アントマン&ワスプ」ほか数多くのハリウッド映画のビジュアルエフェクトにたずさわった坂口亮などが選ばれている。また、テキサス生まれ、広島育ちの日系人、上綱麻子(『サムライマラソン』『マッドバウンド 哀しき友情』)も、編集のブランチから招待を受けた。

 アジア系以外でおなじみのところだと、俳優のブランチでレディ・ガガ、トム・ホランド、ジェイミー・ベル、ジャック・オコンネル、エリザベス・モス、クレア・フォイ、ウィル・プールターら、監督でクリス・ミラーとフィル・ロードのコンビ、ウィル・グラック、メラニー・ロランなどが入っている。

 声がかかった人が全員招待を受けた場合、アカデミーにおける白人以外の人種は全体の16%となる。努力を始める前の2015年には、8%だった。2016年、アカデミーは、「2020年までにマイノリティと女性を現在の倍の比率に増やす」と目標を発表したが、こちらに関していえば1年早く達成してみせた形だ。一方で、2015年段階で25%だった女性は、今年の新会員を入れても全体の32%と、まだ距離がある。あと1年でどこまで近づけるか、注目される。

「#OscarsSoWhite」バッシングが起こるまで、アカデミーは、基本的に欠員を補充する形で新会員を入れてきた。当時の会員総数は、6,000人前後。だが、この目標を掲げた最初の年である2016年には683人、2017年には774人を招待。昨年段階で会員数はおよそ9,000人に達しており、今回の人々も加えると、会員数は1万人に迫る見込みだ。2016年以降に招待された日本人には、北野武、是枝裕和、仲代達矢、黒沢清、河瀬直美、種田陽平、真田広之、菊地凛子、三池崇史、イッセー尾形、細田守、新海誠、園子温、片渕須直、金城武、平柳敦子、原一男がいる。