「スノーデン」のジョセフ・ゴードン=レヴィット:「僕らは声を上げられる。やめろと言える」

昨年秋のトロント映画祭レッドカーペットのたゴードン=レヴィット(写真:ロイター/アフロ)

ジョセフ・ゴードン=レヴィットが、成長を続けている。

10代で人気コメディ番組「3rd Rock from the Sun」(1996-2001)にレギュラー出演した後、コロンビア大学で学ぶため一時休業をした彼は、復帰後、映画で地道にキャリアを積み始めた。そのうち、クリストファー・ノーラン、スティーブン・スピルバーグ、ロバート・ゼメキスなど、俳優ならば誰もが一度は仕事をしてみたいと思う巨匠から声がかかる存在になっていった彼は、「ドン・ジョン」(2013) で監督デビューも果たしている。

自ら経験した今、監督がどんなことを考えているのかがよくわかり、やりやすい俳優になったと思うと言う彼が最新作「スノーデン」で組むのは、オリバー・ストーン。映画は、アメリカ政府が秘密裏に行っている監視プログラムのことを暴露したNSA(米国国家安全保障局)局員エドワード・スノーデンについての政治スリラーだ。

それまでゴードン=レヴィットに会ったことがなかったストーンが今作の主演に彼を考えた最初の理由は、見た目が似ていることだったという。ゴードン=レヴィットはすぐに興味を示し、ストーンに連れられて、モスクワまでスノーデン本人に会いにも行った。「ジョセフは彼のことを僕のヒーローと呼ぶよ。実際、彼らはほぼ同年齢だしね」と、ストーンは言うが、この映画のオファーを受けるまで、ゴードン=レヴィットは、スノーデンのことをほとんど知らなかったと告白する。

「彼のお父さんはアメリカ沿岸警備隊に勤めていたし、お母さんも国家公務員だったんだよね。彼自身も、2004年に米軍に志願入隊しているんだ。イラク戦争で一番危険な時だったのに、彼はあえてそこに行きたがったのさ。そういうことを、僕は、今作で初めて知ったんだよ」。

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訓練中に事故で足に重傷を負い、除隊となったスノーデンは、CIAからコンピュータセキュリティの職をオファーされ、後にNSAに移る。途中、彼は、思いもよらなかったサイバー監視の現状を知ることになるのだ。

「さっきも言ったように、彼はもともと愛国主義者なんだよ。だが、彼は、9年の間に、違うタイプの愛国主義者へと変革していく。彼は疑問を感じ始める。そういう疑問を投げかけられるところもアメリカという自由な国に住むすばらしいところだよね。僕もそこに住んでいることに感謝しているし、だからこそ彼もああいう行動を取ったんだと思う。僕は、彼の愛国主義に強い興味を覚えた。この映画で、僕はそれを見せたかったんだよ」。

映画の中で、スノーデンは、「悲しいけれど、次の世代はプライバシーが何かなんて知らないだろう」と言う。ストーンも、「自分たちが知っているよりもっと多くのことが、裏では起こっているんだ」と警告するが、ゴードン=レヴィットは、むしろ楽観的にかまえようとしている。

「2013年にスノーデンがあんな行動に出た後、テクノロジー企業は、彼の援護に回った。シリコンバレーの企業はこぞって、ソフトウェアやハードウェアに変更を加え、プライバシー管理を強化したんだ。そのことを、僕はとてもありがたく思っている。これから10年後、あるいは15年後、世の中がどうなっているかは、僕らにかかっているんだと思うよ。僕らは声を上げることができる。悪いほうに行かないように、やめろと言うことができる。そうすることで、完全に悪いほうや、完全に良いほうに行くのでなく、真ん中で止めることができるのではと僕は思うんだよ。いずれにしても、僕はあきらめないね」。

政府の秘密監視がどうなるかに関係なく、セレブリティである彼は、常に人の目にさらされている。そんな中にあっても、彼は、できるだけ、ひとりだけの時間を持とうと努力をしている。

「いろいろなことを考え、今の自分を考察する時間をもつ。人間として、それはすごく重要なこと。政府であれ、家族であれ、他人であれ、自分がそれをやっている時に誰かに見られながらそれをやるとなると、その時間は、かなり違うものになると思うんだよ。もちろん、いつだって他人に見られていたいという人がいるのも知っている。今何を着ているか、何を食べているのかをわざわざ公に知らせる人もいるよね。それはかまわないよ。その人たちは、そうすればいい。大事なのは、それぞれの人に選択肢があることなんだ」。

「スノーデン」は本日より日本全国公開。