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ジョニデ離婚:アンバー・ハード、仕切り直しの審問に間に合わず

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
(写真:REX FEATURES/アフロ)

米西海岸時間本日12日(金)午前10時から行われるはずだった、仕切り直しのアンバー・ハードの審問に、ハードが間に合わなかった。ハードの弁護士サマンサ・スペクターは、「アンバーのせいで起こったのではない緊急事態のため、アンバーはロンドンからの飛行機に乗ることができませんでした」と理由を説明し、裁判所に、日程を1日遅らせ、13日(土)に変えてほしいと嘆願している。ハードは現在、ロンドンで、「ジャスティス・リーグ」の撮影に入っている。

ハードの審問は、先週6日(土)に行われることに決まっていたが、ハードは大幅に遅刻して現れた挙句、部屋に入るのを泣き叫んで拒否し、ひとことも証言をしなかった(http://bylines.news.yahoo.co.jp/saruwatariyuki/20160810-00060956/)。その結果、裁判所は、ハードの審問を12日に仕切り直し、ジョニー・デップの審問を、最初に予定されていた10日(水)から13日(土)に延期している。また、当初15日(月)と16日(火)の2日間で予定されていた裁判も、17日(水)からの5日間と変更された。2日間だったものが5日間に延長されたのは、これがもっと時間のかかるケースだと裁判所が判断したからのようだ。この裁判は、デップにDVを受けていたとするハードが要求している、デップに対する正式な接近禁止命令を認めるかどうかについてのものである。

ハードの審問の1日延期を要請する裁判所に対する書類の中で、スペクターは、デップの弁護士ローラ・ワッサーが、6日のハードの態度を「ヒステリックで狂乱していた」と形容したのは、「嘘で、誇張です」と責め、「アンバーにはずっと、証言をする用意ができています。6日(土)もそうでしたし、今もそうです」と主張している。

また、この書類の中では、昨日11日(木)の日付で、スペクターがワッサーに、離婚の条件の提案を送ったことが示唆されている。デップ側がそれに応えないとスペクターが裁判所に不満を訴えるのに対し、ワッサーは「それは違います。あなたのクライアント(ハード)が署名した、あなたたち側の提案を私が受け取ったのは今朝7時50分で、私はそれをデップ氏に送りました。彼は、今、それを読んでいるところです。私たちも同じです」と反論した。

ハード側からの新たな離婚の条件が、デップ側が受け入れていいと思えるもので、双方合意となれば、ハードはDVの訴えを取り下げ、明日の審問も不要になる。そもそもワッサーは、ハードがDVを持ち出してきた時から、「彼女は早くお金をもらいたいだけ」と述べてきている。

裁判を避けて示談で片付けたいというのは双方ともの本音で、ワッサーとスペクターは、水面下で何度も和解に向けての話し合いを持ってきた。先週のハードの審問の前日も夜9時までかけて話し合ったが、合意を得られていない。つまり、双方の条件に、大きな隔たりがあると思われる。

しかし、今ここで合意を得られなければ、ハードは、今度こそいよいよ証言をしなければならなくなる。先週は泣いて逃れ、今日は飛行機に乗れなかったという言い訳をしたが、明日はもう逃げられないだろう。そして裁判になれば、デップ側には、「DVの連絡を受けて現場を訪れた時、彼女にけがはなかった」と証言する警察官や、ふたりの住むコンドミニアムのコンシェルジュ(やはり彼女にけがはなかったと証言)、その場にいたガードマンなどの強力な証人がついている。

このぎりぎりの段階になって、ハードは、条件に関して、ついに大きな妥協をしたのだろうか。まもなくそれはわかる。

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「シュプール」「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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