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ベン・アフレックがテレビでFワード連発。酔っていた?熱くなっただけ?

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
テレビでFワードを連発するベン・アフレック

酔っ払っているのか、ただ熱くなっているだけか。米西海岸時間22日(水)に放映されたテレビ番組「Any Given Wednesday With Bill Simmons」でのベン・アフレックのインタビューが、ソーシャルメディアで話題を集めている。

アフレックがゲスト出演したのは、スポーツコラムニストのビル・シモンズがHBOで始めた新番組。アフレックもシモンズもマサチューセッツ州出身で、レッドソックスとペイトリオッツの熱烈なファンだ。ペイトリオッツは、昨年、NFLのルールに反し、試合でボールの空気圧を意図的に減らしていたという「デフレートゲート」と呼ばれるスキャンダルに見舞われている。ペイトリオッツのクオーターバックでフットボール界の大スター、トム・ブレイディ(スーパーモデルのジゼルの夫でもある)の関与も疑われ、ブレイディはNFLから携帯電話の提出を求められた。ブレイディは拒否し、4試合の出場停止命令を受けている。

インタビューで話題がこのことに及ぶと、アフレックは、顔を真っ赤にし、ろれつの回らない口調で、本来ならば放映禁止用語のFワード(プレミアムケーブルチャンネルであるHBOは、センサーシップを行わない)を連発しつつ、「デフレートゲートは、スポーツにおける究極にばかばかしい出来事だ。あまりにばからしくて、信じられないよ」とぶちまけた。ブレイディが受けた仕打ちについても、「携帯電話を渡すのを拒否したからといって罰を与えるのか?情報を漏らす危険のあるNFLみたいな団体には、僕だって絶対に携帯を渡さないね。奴らは僕のメールを見て、留守番メッセージを聞くだろう。そしてそれを外に漏らすんだ」と、ブレイディを弁護。「そこには彼の妻が送った、ファニーで愛らしいセックスメッセージなんかもあったりするかもしれないじゃないか。彼は気品のあるジェントルマンだから、同僚に対する自分の意見、自分の本音を知られたくないのかもしれない。僕だって、本当はあんまり良い奴じゃないなと思っている人たちに、僕がそう思っていることは知られたくない。すばらしいと思っている人たちにも、知られたくないよ。そういうことは自分の中にとどめておきたい。そもそもNFLはFBIじゃないんだよ。渡す義務はないんだ」と付け加えた。その間にもさらにFワードを数回口にしている。以下がその映像。

さらにアフレックは、「スター・ウォーズ」の監督をやらないかと声がかかったことも示唆している。自分の言葉でそう言ってはいないが、シモンズに「あなたが『スター・ウォーズ』の監督をオファーされていたというのは本当ですか」と聞かれると、「断った仕事のことを語るのは、礼儀正しいことじゃないよね。僕にはたくさんオファーがあったんだ。それぞれは、いろいろ違う道につながっていく。バットマンをやるのか、別の有名な作品をやるのか、それによって僕の人生は違ってくる」と答えた。その部分の映像は、こちら(http://www.tmz.com/2016/06/23/ben-affleck-star-wars-turned-down-director/)で見られる。

放映後、ツィッターには、「トーク番組で酔っ払ってデフレートゲートについて激怒するなんて、まさにボストンの有名人がやるべきことだね」「『バットマンvsスーパーマン』の後だし、飲まずにはやってられないでしょう」「この5分のインタビューは、2時間半の『バットマンvsスーパーマン』よりずっと娯楽を提供してくれた」「酔っ払ってスポーツを語る人たちから逃げたくてボストンからハリウッドに来たのに、ベン・アフレックのせいで台無しだわ」「ベン・アフレックがしらふだったのかどうか疑っている人たちへ。ボストンのスポーツファンは、いつもああいう感じです」などというコメントが飛び交った。これらの反響を見て、シモンズは、「僕らがこれを収録したのは午前中だ。デフレートゲートの話になって、ベンは熱くなったんだよ。それだけ」とツィートしている。一方アフレック本人は、Facebookに、「数えていた人もいるかもしれないが、僕は18回、Fワードを口にした。今思えば、12回で十分だったかな。ボストンのスポーツファンは、昔から控えめなことで知られているしね。これは、今までやった中で、一番気に入っているインタビューのひとつだ」と投稿し、このインタビューでの自分の態度を後悔していないことを示した。これに対しては、アフレックのファンから、「最高のインタビューでした。あなたの正直さは新鮮でした」など、支持のコメントが多数寄せられている。

アフレックは、過去に、アルコール依存症の家系であることを明らかにしており、2001年には更生施設に入所している。故ヒース・レジャーも、彼の飲み友達だった。

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「シュプール」「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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