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ジョニデ離婚:デップの友人「ジョニーは利用され、はめられた。こうなるのは見えていた」

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
(写真:REX FEATURES/アフロ)

ジョニー・デップは、“裸の王様”だった。デップの近しい友人はみんな、アンバー・ハードが彼にとって危険なことをわかっていたが、面と向かってそれをデップに伝えることを、誰もしなかったのだ。

そんな事実が、デップの友人のひとりによって、明らかになった。その友人は、スタンドアップコメディアンのダグ・スタンホープ。スタンホープは、米西海岸時間29日(日、)「ジョニー・デップはアンバー・ハードにゆすられていた:僕が知ることを語る」と題する告白記事を、thewrap.comに寄稿した。スタンホープと彼の恋人は、ハードがデップにDVを受けた日とされる21日(土、)夫妻の家を訪れている。彼は、記事の中で、デップはハードがこのような嘘を言うだろうということを事前に知っていたと証言している。もっと早くにデップを弁護しなかったのは、彼のスキャンダルを利用して自分が有名になろうとしているのだと思われたくなかったからという心情も、彼は明らかにした。

告白記事の主な内容は以下のとおり。

もう、朝4時近くだ。だが眠れない。うとうとすることもできない。今日、僕の友人が、家庭内暴力をしているというニュースが流れたのだ。あざのある妻の写真と一緒に。彼は、ソーシャルメディアに殺されてしまった。

僕にはこうなることがわかっていた。なのに、僕は、何も言わなかった。これが嘘だとわかっているのに。

こんな道をたどっていくことを、僕らは、彼らが結婚する前から知っていた。彼女が彼を操り、嘘を言うのを、何年も見てきたのだ。僕らは、何も言わなかった。僕らの間では言っていたけれど、彼に対しては一度も言わなかった。

ひどい恋愛関係にある友達を見て、相手は悪魔だと教えてあげても、その友人はたいていの場合、またよりを戻して、逆に、正直だったあなたとの関係を切るものだ。僕らのほとんどは、どちらか、あるいは両方の立場を経験していると思う。人は、あえて盲目になり、しっかりした目をもって自分を正しい方に導こうとしてくれる人を切り捨てようとしたりするものなんだ。(中略)

僕と僕の恋人ビンゴは、ジョニー・デップを2年ほど前から知っている。その間ずっと僕らは、アンバー・ハードが、ジョニーが一番弱い状態にある時に攻撃するのを見てきた。でも、僕らは何も言わなかった。

彼はジョニー・デップだからだ。彼が裸の王様であることを指摘して、彼の友達の輪からはずされることにはなりたくなかったんだ。僕らに同感する人の名前をここで挙げるのはやめておくが、僕らに同感しない人の名前を、僕はひとりも考え付くことができない。

でも、誰も、彼にそれを言うことはしなかった。

そのDVがあったとされる土曜日、僕とビンゴは、多くの時間をジョニーの家で過ごしていた。彼がむっつりしているのは、前日にお母さんが亡くなったせいだろうと思っていたら、それだけではないのだと、彼は気弱に告白してくれた。アンバーが離婚しようとしていて、もし彼女の条件に従わないなら、公に向けて、すごい嘘をついてやると言っているというのだ。それは、世間で言うところのゆすりというものだろう。(中略)

ビンゴと僕は、彼女が人を巧みに操作するひどい奴だと最初から知っていたし、近しい友達もみんなそう知っていると彼に伝えた。でも僕らはみんな、彼に切り離されたくなくて、それを言うことを恐れていたのだとも。(中略)その午後、いろいろな人が家にやって来ては去っていったが、そのみんなが僕らと同じ証言をした。(中略)彼はその事実に驚いていたようだが、正直に言ってくれてありがとうと感謝を述べていた。

彼はまだアンバーを愛していると言ったが、彼女が彼に対して何かの策略を行うこともわかっていた。不安で、彼は、何日も眠ることができないでいた。(中略)彼が、ようやく眠れるかもと言った時、僕らは帰ることにした。ニュースが伝えるところによると、その後に、警察が、DVの通告を受けてやってきたようだ。肉体的暴力を受けた証拠や犯罪の証拠が何も見つけられなかったため、警察は去って行っている。(中略)

僕は今に至るまで(この事実について)発言してこなかった。有名人の名前を出してくることで目立とうとしている奴と思われたくなかったからだ。今、僕は、有名人の名前を出す。ジョニー・デップは、僕の友人だ。(中略)

女性に暴力をふるうのは最低。だが、ジョニー・デップは誰にも暴力をふるわない。彼は、彼女がこういうことをやるだろうと、前から知っていた。ジョニー・デップは利用され、操られ、ひどい奴に見られるようにはめられた。わかっていたのに、彼はそれを止めようとしなかったんだ。

(以下略)

この記事を受け、ハードの弁護士は、「ハードがゆすったというのは全面的に間違っている」とコメントを発表している。デップは現在もまだ音楽活動でヨーロッパにいる。

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「シュプール」「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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