ゴールデンウィークで旅行や里帰りするとき、心配になるのが空き巣被害。その点、今のマンションはセキュリティを固め、留守にしているときの安心感が増している。

 建物の入り口に認識装置があり、玄関キーを持っている住人か、インターホンで許可された人にしかドアが開かないのがオートロック。不審者の侵入を排除してくれる。

 といっても、不心得者のなかには、オートロックがあっても「共連れ」というやり方で建物内に入ることがある。

 オートロックを解除しようとして玄関キーを出そうとしたら、ちょうどマンション内に入る人や出てくる人がいる。これは幸いと一緒に入らせてもらいました……そういうテイで、キーを持っていないのに建物内に入り込むのが「共連れ」である。

 「共連れ」を防ぐために考え出されたのが、二重、三重のオートロック。入り口だけでなく、エレベーターホールに入るところで、もう一度オートロックの認識装置があり、ここでも玄関キーを出したり、インターホンで住人による解除を求めなければならない。これが「ダブル・オートロック」とも呼ばれるもので、2箇所とも「共連れ」で入ることはできないはず、と考え出された。

 さらに、エレベーターを下りたところでもう一度オートロックの関所を設け、三重にすることもある。

 そうなるとセキュリティは高まるが、装置ごとにいちいち玄関キーを出す必要が生じ、住人の面倒が増える。そこで考え出されたのが、玄関キーをポケットやバッグに入れているだけでオートロックの装置が反応し、ドアが開く方式。ハンズフリー方式と呼ばれるものだ。

 さらに、最新方式として顔認証で解除されるオートロックも登場。マンションにおけるオートロックは進化が著しい。

 しかし、古い中古マンション、賃貸マンションのなかには、一昔前のオートロック方式があり、「それじゃあ、防犯の効果がないだろう」と思われるものもあるので、注意が必要だ。

オートロックの横に、出入り自由な通用門?

 オートロックが多くのマンションに広まり始めたのは、平成に入った頃からだ。このシステムは、安心感の大きさから、特に一人暮らしの女性から支持された。

 賃貸の集合住宅でも「オートロック付き」ならば入居者が決まりやすくなったことから、オートロックの装置を後づけする物件も生じた。

 賃貸マンションの入り口ドアにオートロックの装置を加えたのだが、費用をケチるケースがあった。

 具体的には、「玄関ドアのキーで、建物入り口のドアを解除できます」というだけのオートロックにした。来訪者用のインターホンがないし、室内からオートロックを解除もできない。つまり、来訪者や宅配業者がインターホンで訪問先を呼び出し、遠隔操作でオートロックを解除してもらうことはできなかったのである。

 それで困るのが宅配業者や出前持ちの人たち。ピザの配達人が入り口でオロオロするようなことが頻繁に起きた。

 しかし、心配はいらなかった。よくみると、入り口の横に小さな通用門があり、そこから自由に出入りできるようになっていたからだ。

 「オートロック付き」に嘘はない。しかし、セキュリティはまったく守られていない「なんちゃってオートロック」だったのである。

 別の賃貸マンションでは、通用門こそないが、入り口横の柵が高さ50センチほどしかなく、簡単に乗り越えられた。多くの人が乗り越えるうちに柵が壊れ、誰でも通れる「道」になってしまった。

 古い中古マンションや賃貸マンションにはそのようなケースがあるので、家を買ったり、借りたりするときは「オートロック付き」だけで安心せず、現地チェックが大切になる。

オートロックを不正解除させる手口も

 もう一つ、初期のオートロック付きマンションで生じやすかったのが、センサーの誤反応を利用して不正解錠する手口だ。

 オートロックは、入館するとき玄関キーや居住者の許可が必要。しかし、出るときはフリーパスとなる。

 出る人に対してドアが自動で開くのは、センサーが備えられているから。出入り口に向かって歩いて来る人をセンサーが感知してドアが開くわけだ。

 この仕組みを利用して、外からドアを開けることができた。それが可能になるのは、ドアにわずかな隙間が開いているとき。その隙間から紙や細い棒を入れて揺り動かす。すると、センサーが反応して、自動ドアが開いてしまった。

 それを防ぐため、今はオートロックで隙間のあるドアは採用されない。加えて、オートロック周辺に監視カメラが配置され、不審な動きを遠隔監視する仕組みが広まっている。

 だから、今のマンションでは、ドアの隙間を利用する不正解錠は行えない。しかし。古い賃貸マンションや中古マンションでは、それが可能になる物件も残っている。

 マンションの古いオートロックには、笑い話のようなもの、不安なものもあるので油断ができないのである。