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完成した木造マンション。実物で感じた鉄筋コンクリート造との違いと活用の可能性

櫻井幸雄住宅評論家
完成した木造マンションの室内。内側に構造壁を多くし、室内は明るさを確保。筆者撮影

 「日本最大級の木造マンション」となるMOCXION INAGI(モクシオン稲城)が完成した。三井ホームが一戸建ての技術を生かして東京都稲城市に建設した、5階建て51戸の木造マンションである。

 木造のマンションは、同規模の鉄骨や鉄筋コンクリート造マンションと比べて、二酸化炭素の排出量を40%以上削減。国産材の利用を促進し、植林、育成も活性化させる。

 好ましい点が複数生まれるし、木造住宅に住む快適さも多くの人に支持されている。

 といっても、木造のマンションは簡単につくれるものではない。床下を大きく開けて湿気がたまるのを防ぎ、主要構造に国産の檜や杉の巨木を用いた古来の建造物が何百年ももったからといって、同様の建築物は消防法や建築基準法、そして費用の問題で再現できないためだ。

 木造でマンションをつくるためには、新たな工夫や新たな素材開発が求められる。その内容については、マンションにも登場した「木造」。その利点と、当面は解消できない残念な点とはという記事でも解説した。

 ここでは、完成した建物をみて感じた鉄筋コンクリート造との相違点。そして、木造マンション活用の可能性について、一歩踏み込んだ解説を試みたい。

鉄筋コンクリート造とは大きく異なる操作感

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住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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