2021年9月21日、「令和3年 都道府県地価調査」が発表された。

 その内容は、「全国全用途平均で2年連続下落も下落率は縮小」というもの。コロナ禍で2020年以降全国地価は下がり続けているが、2021年は下がり方が緩やかになったというわけだ。

 そして、気になる三大都市圏の地価に関しては次のように特記された。

 住宅地は「東京圏、名古屋圏で下落から上昇に転じ」、「大阪圏は下落率が縮小した」。

 コロナ禍により、三大都市圏でも2020年は住宅地・商業地の地価が下がった。

 しかし、2021年、東京圏と名古屋圏の地価は早くも上昇に転じたのである。そして、大阪は反転まではいかないものの、下げ幅が小さくなった……この発表で、注目したいのは、上昇に転じた東京、名古屋よりも、むしろ「まだ反転していない大阪」だ。

 反転する前であれば、今の大阪は注目の場所ではないか。特に、中心地のマンションを購入する場合、わるくない購入タイミングと思えるからだ。

じつは、コロナ禍前からマンションブームが起きていた大阪中心地

 東京でも名古屋でも、値上がりが激しいのは、中心部に立地する「都心マンション」。この都心マンションは、大阪でも人気が高い。

 大阪で都心マンションブームが起きたのは、「大阪ひびきの街 ザ・サンクタスタワー」が分譲された2013年頃からだ。大阪厚生年金会館跡地に建設された同マンションは地上53階建て・874戸の大規模・超高層マンション。大阪におけるビジネスの拠点・本町エリアに誕生したマンションとして注目され、大人気で完売した。

 大阪では、従来「中心地は仕事の場。暮らすなら、その周辺がよい」という考え方があり、豊中などがある北摂や芦屋などがある阪神間が住宅地として人気が高かった。

 その意識が、大阪駅・梅田駅の近くに「うめきた」エリアが登場してから変化した。

 まず、梅田駅周辺のマンションが人気となった。次いで、本町の周辺でマンションブームが起きた。

 本町周辺には、それまで大企業がそろって本社を置いていたのだが、「うめきた」や、その他のエリアに本社を移転する大企業が出始めて、土地が空くようになった。空いた敷地にマンションが建設され、「職住近接の住まい」として、人気を集めるようになったのだ。

 東京でいえば、「品川駅周辺に新たなビジネスゾーンが形成」されて「大手町周辺から、大企業が本社を移転」、「土地が空いた大手町にマンションが続々建設された」ようなものである。

 大阪の本町周辺は、複数の地下鉄駅が利用でき、2031年開業予定の新しい地下鉄「なにわ筋線」の建設も進んでいる。心斎橋の商業エリアにも近く、生活は便利で楽しいと、北摂や阪神間から大阪中心部に移る人が増加。大阪でも都心マンションブームが起きていた。

 その結果、大阪中心部のマンション価格が上昇。前述した「大阪ひびきの街 ザ・サンクタスタワー」は、70平米台の3LDKが8000万円弱で取引されているのが実情だ。

「住みたい」と願う人が増えたため、マンション価格が上がり、購入しにくくなったのが大阪の中心部。2025年大阪万博の予定もあり、地価がさらに上昇してゆきそうだったが、コロナ禍で一息ついた。

 すでに価格が反転しはじめた東京・名古屋より、大阪のほうが要注目といえる理由がそこにある。

大阪でも、人気が高いのは大規模・超高層マンション

 今、日本中で人気が高いのは、駅に近く、大規模の超高層マンション。便利であるし、目立つ。立派なエントランスがあり、スカイラウンジ、ゲストルームなど共用施設が充実するのが人気の理由だ。

 大阪中心地でも、駅に近い大規模・超高層マンションは、注目度、人気ともに高い。  

 本町周辺では、プレミストタワー靱本町がOsaka Metroの四つ橋線・御堂筋線・中央線の本町駅から徒歩1分で、地上36階建て・全350戸。シティタワー大阪本町が、同駅徒歩5分で、地上48階建て・855戸だ。

 梅田周辺では、Osaka Metro御堂筋線梅田駅から徒歩3分に建設されている梅田ガーデンレジデンスが地上56階建て・584戸……日本全国、目立つ超高層マンションはやっぱり注目度と人気が高くなりやすいのである。

 さらに、最新の大規模・超高層マンションは、建物のつくりや設備仕様のレベルが高く、それも人気の理由だと考えられる。

高い天井高に、ETC連動の駐車場入り口も

 最新の大規模・超高層マンションはどれほどつくりがよいのか。2021年上半期で成約戸数が大阪府内で第1位になった(2021年7月現在、MRC調べ)プレミストタワー靱本町の販売センターで調べた。

 同マンションで、まず注目したいのは日建ハウジングシステムのデザイン監修であること。同社は日本一の設計集団とされる日建設計のグループ会社で、住宅の設計デザインを担当する。

 秀でたデザインであることを示すように、四つ橋通りに面したエントランスは天井高が約7メートルもあり、ガラス張りでとにかく目立つ。同じ本町エリアの御堂筋では、通りに面した場所にマンションは建設できず、ブティックや飲食店が並ぶ。だから、本町エリアで大きな通りに面したマンションエントランスは希少だ。

 建物内の住戸は天井高が2メートル60センチ以上あり、上層の特殊フロアは天井高3メートルに。床面から天井まで背の高いコーナーサッシ付き住戸がありながら、同マンションは「ZEH-M Oriented」でもある。

 これは、超高層マンションで、次世代省エネの基準である「ZEH(ゼッチ)」の仕様になっていることを示す。

 その事例はまだ少ない。

 さらに、駐車場のゲートはETC登録で開閉するようになっているといった特徴もある。このシステム、開閉の反応が早いだけでなく、登録変更も早い。たとえば、車を買い替えて新しい車で帰宅したとき、駐車場入り口のセンサーにETCカードをかざすことで車の変更が可能になる。これ、意外に役立つ仕組みである。

 便利な立地で、目立つ建物、高品位な設備仕様を備えた新築マンションが多く分譲されている大阪中心部は、今後、地価も反転してゆくものと考えられる。