渋沢栄一で注目度UPの東京都北区・王子 マイホーム購入の穴場としても要注目

JR王子駅中央口の改札を出ると、大きな表示が。筆者撮影

 改札口を出ると、「大河ドラマ 青天を衝け」の大きな文字と、渋沢栄一のイラスト。飛鳥山公園に大河ドラマ館がオープンしたことが分かる。その飛鳥山公園の案内図も「渋沢翁のテーマパーク王子飛鳥山」として新調された。

飛鳥山は標高24.5メートルで、東京都内で最も低い山とされる。一帯は飛鳥山公園となっており、桜の名所でもある。が、今は、渋沢翁のテーマパークに……。筆者撮影
飛鳥山は標高24.5メートルで、東京都内で最も低い山とされる。一帯は飛鳥山公園となっており、桜の名所でもある。が、今は、渋沢翁のテーマパークに……。筆者撮影

 渋沢栄一の写真とともに「LOVE、LIVE、LEAD」のキャッチフレーズを入れたポスターも駅構内に掲げられている。

「LOVE、LIVE、LEAD」は北区を愛し/LOVE、北区に住居を構え/LIVE、北区で日本を導いた/LEAD、という意味なのだそうだ。筆者撮影
「LOVE、LIVE、LEAD」は北区を愛し/LOVE、北区に住居を構え/LIVE、北区で日本を導いた/LEAD、という意味なのだそうだ。筆者撮影

 この駅は、東京都北区にあるJR京浜東北線王子駅。王子駅近くの飛鳥山に渋沢栄一が居を構えていたことから、北区は大河ドラマの開始に合わせて「東京北区渋沢栄一プロジェクト」を立ち上げた。

 その結果、王子駅周辺は、「北区・渋沢」コラボの色彩が強く出されているわけだ。

 その王子駅周辺は、じつは数年前から不動産業界が熱い視線を注いでいる場所でもある。

 理由は、23区内で「これから人気沸騰」の可能性が最も高い街が王子ではないか、と目されているからだ。

 予測の根拠となるのが2つのキーワード、「北区役所移転」と「駅周辺の再開発」だ。

多くが建て替え時期を迎えている、23区の区役所

 現在の北区役所は飛鳥山公園の近くで複数の建物に分散しているのだが、その庁舎が老朽化しており、移転・新築が決まった。

 じつは、今、23区内の区役所は多くが建て替え時期を迎えている。終戦直後に建てられた庁舎が多く、戦後75年を過ぎた今、老朽化が進んでいるためだ。

 すでに豊島区役所や渋谷区役所が建て替えられ、中野区役所や葛飾区役所も建て替え計画が始動している。

 ここで注目したいのは、区役所建て替えは「移転」を伴い、新庁舎は新しい場所に移るケースが多いことだ。

 区役所や警察署、消防署、郵便局、病院など、「新築のため、しばらく休業」ができない施設は、新築=移転となりやすい。日々の業務をこなしながら新庁舎を建設し、建物が完成したら、1日とか半日で引っ越して業務を速やかに再開することが求められる。

 北区役所の場合、王子駅の反対側、国立印刷局王子工場用地の一部を新庁舎建設予定地とすることが決まっている。

 区役所移転に伴い、王子駅周辺の「まちづくりグランドデザイン(案)」も策定され、街が生まれ変わることにもなっている。

 区役所移転に伴って王子の街が大規模に再開発されるので、計画が本格的に動く前に手を打っておこう、と不動産業界は考えているわけだ。

今は、まだ住宅価格が安い王子駅周辺

 北区役所が移転したとき、王子駅周辺には新たな街区が創出され、商業施設も増加する。つまり、街の魅力が増すわけだ。

現在のJR王子駅の北口側。すでに、大きな街で活気もある。この街が再開発される日が楽しみである。筆者撮影
現在のJR王子駅の北口側。すでに、大きな街で活気もある。この街が再開発される日が楽しみである。筆者撮影

 もともと、王子駅は都心へのアクセスが良好だ。

 王子駅は東京駅から9キロ圏に位置し、東京駅からの距離でいえば、中野駅や三軒茶屋駅、大井町駅と変わらない。JR京浜東北線を利用すれば、東京駅まで直通16分である。都心への通勤・通学にはJR京浜東北線に加え、東京メトロ南北線も利用できる。この2路線は、朝のラッシュ時も混雑度が緩やかという利点もある。

 それでいて、住宅の価格相場は抑えられ、駅徒歩圏の新築マンション3LDKが6000万円台。駅から徒歩10分以上をいとわなければ、3LDKが5000万円台で購入できる水準だ。

 中野、三軒茶屋、大井町の駅周辺よりも、1000万円〜2000万円安い。さらにいえば、都心から見て、王子駅より遠い赤羽駅周辺よりも、王子駅周辺のほうがマンション価格は抑えられている。王子駅周辺の新築マンション3LDKは、赤羽駅周辺よりも1000万円程度安い印象だ。

 都心へのアクセスがよい上に、マンション価格が抑えられ、新たな街づくりで将来の楽しみがある場所、それが王子駅周辺となるわけだ。

 北区の王子駅周辺は渋沢栄一ゆかりの場所であるだけでなく、マイホーム購入の穴場としても注目したい場所なのである。

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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