テレワーク中に子どもの足音や騒ぎ声が気になる……近隣との騒音トラブルどう防ぐ?

小さな子どもは遊ぶのが「仕事」。その仕事が大人の仕事を邪魔することも……。(写真:アフロ)

 7都府県に発令された緊急事態宣言で外出自粛が広がり、家庭内で過ごす人が増えている。といっても、遊んでいるわけではなく、仕事を持っている人は在宅勤務、子どもは自習というケースが想像される。では、家の中の時間は静かに過ぎているのだろうか。

 夫は静かな環境で仕事をしたいのに、子どもが家の中を走り回る。夫がイライラして、それが妻に伝わり、家の中がギスギスする、という事態が懸念される。さらに、マンションやアパートなど集合住宅では、上の階から聞こえる子どもの足音や騒ぐ声が階下で仕事をする人の邪魔になる、という問題も起こりそうだ。

 家で過ごす人が増えている今、住宅内の「音」の問題を上手に解決する方法はないか、考えてみた。

集合住宅の形態によって変わる音の伝わり方

 集合住宅で、特に隣家や上下階の音が気になりやすいのは木造や軽量鉄骨造のアパート。もともと鉄筋コンクリート造に比べて壁や床が薄く、軽量であるため、遮音対策をしっかり行っていない建物だと、他の住戸に音が伝わりやすい。昨年、問題になったレオパレス21の施工不良も、壁や天井部分の防火対策に不備があったことで、隣や上下の音が伝わりやすい状況が生まれていた。

 隣や上下の音が気になる場合は、壁際に家具や本棚を置く、床に厚めのカーペットを敷く、といったことくらいしか対応策がない。あとは、お互い気をつけることが大切だろう。

 木造や軽量鉄骨のアパートは、「音の問題が生じやすい」ことがわかっているので、居住者は気をつかう。だから、むしろ騒音問題は生じにくいともいえる。それに対し、意外に騒音問題が生じやすいのが、鉄筋コンクリート造のマンションだ。

 壁や床が分厚く、重量がある鉄筋コンクリート造のマンションであれば、多少の音は伝えないだろう、という油断が生じがち。加えて、「静かに暮らしたい」と願う人は、鉄筋コンクリート造のマンションならば大丈夫なはず、と過度に期待することがある。

 「音は伝わらないだろう」と考える一家が上に住んで遠慮なく音を出し、「音は伝わってこないはず」と考える人が階下に住んでいると大変だ。「うるさいじゃないか」「そんなに気にすることないだろう」という言い合いが生じかねない。

鉄筋コンクリート造では「厚さ」が重要

 じつは、鉄筋コンクリート造のマンションといっても、音の伝え方は一律ではない。それは、建物によって、コンクリートの厚さが変わるからだ。建物にあまりお金をかけたくない賃貸用マンションの場合、床や壁に使われるコンクリート厚さは12センチ程度ということがある。これでは、足音や掃除機をかける音が階下に伝わりやすい。

 そこで、分譲マンションでは特に床のコンクリートを厚くし、20世紀の頃は厚さ15センチ以上が当たり前、21世紀に入ってからは20センチ以上にすることが多くなっている。

 分譲マンションは、上下、左右の音を伝えにくい。が、完璧に遮音するわけではない。特に、小さな子どもが走り回る足音は階下に伝わりやすいとされている。

 床のコンクリートをもっと厚くし、サッシやドアも改良して遮音性を高めればよいのに、という声も出てきそうだ。が、あまりに遮音性を高めて無音に近い室内をつくると、今度は室内の音が気になりだす。冷蔵庫の音や時計の音が気になって眠れないということが起きかねないので、今の遮音レベルが適当ではないか、と考えられているわけだ。

子どもの「音」で気になるのは

 今の遮音レベルが適当、といっても、現在のような特殊状況下では、「もっと、静かにならないのか」の声が生じがちだ。特に、子どもが家の中で走り回る音は問題になりやすい。

 子どもは、元気に走り回るもの。家の外に出ることへの自粛が要求されている現在、家庭内で多少走り回るのは仕方ない……が、家で仕事をする人がいる場合、そして階下で仕事をしている人がいる場合は、対応策が必要だろう。

 特に、まだ聞き分けができない幼児がいる場合、走るのを止めさせるのは容易ではない。

 そこで、ひとつ考えられるのは、室内の廊下部分にクッション材や厚めのカーペットを敷くことだ。子どもが走るのは、主に部屋と部屋を移動するための廊下において。その廊下で大きな足音が発生しないようにするわけだ。

 廊下全面に敷き詰める必要はなく、廊下の中央部分にだけ敷き、「ここから落ちたら、ワニがいるよ」などと、吸音材の上を通ることを遊びにする。そんな工夫が必要だろう。

もし、ご近所トラブルが発生したら……

 最後に、もしご近所トラブルが発生した場合の対処法について。

 上の階の騒音がひどいと思ったとき、もしくは下の階から「うるさい」と言われたときに、どうすればよいか。

 戸数が少ないアパートでは、本人同士が話し合うしかないのだが、分譲マンションの場合、仲立ちを頼むことができる。当事者の間に入ってくれるのは、マンション管理会社から派遣されている管理スタッフ。いわゆる管理人さんだ。

 現在のマンション管理会社は、住人同士のトラブルにも積極的に介入してくれるようになっている。必要に応じて、管理組合の役員にも連絡してくれるので、第3者を間に入れて、冷静な対応が可能となる。

 といっても、すべての管理会社が介入してくれるわけではなく、「それは業務外」と突き放すケースもある。そういう管理会社には、ちょっとがっかりだろう。

 つまり、住民同士のトラブルを管理員に相談することは、管理会社の姿勢を試すチャンスにもなるわけだ。

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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