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昭和の嫌われ者「行灯部屋」がマンションの花形スペースになりはじめた

櫻井幸雄住宅評論家
窓のない居室「行灯部屋」も楽しげに。が、最新の工夫はこんなものではない。筆者撮影

 日本のマンションには「行灯部屋(あんどんべや)」という言葉がある。住戸の中央部に設置されて、窓がない部屋のことを指す。窓がないので、昼間も暗く、いつも照明を付けなければならないので、行灯(照明)が必要な部屋とされたわけだ。

 行灯部屋は和室になることが多く、この和室は「中和室(なかわしつ)」とも呼ばれた。一般的な呼び名が中和室で、くだけた言い方として行灯部屋の呼称が使われたわけだ。

 昭和時代、両脇を他の住戸に挟まれた住戸(これは、中住戸と呼ばれる)には行灯部屋が生じがちで、好ましいものではないとされてきた。

 平成に入ると、後述するように行灯部屋をなるべくつくらないような工夫も広まった。ところが、平成が終わるあたりから、行灯部屋を魅力的にするアイデアが複数登場。「行灯部屋があるから楽しい」と思えるような状況が生まれだした。

 最近の言い方をすれば、“一周まわって”行灯部屋の評価が変わりはじめたのだ。

 行灯部屋を魅力的スペースに変える工夫を紹介したい。

イメージを変えたスタジオ風

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住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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