避難所運営をめぐる課題について

地域の人が設置した更衣スペース

 災害が起こり、自宅で生活ができない時にどうするのか、避難所運営を誰がどのように行うのか、という点を私たちは普段から考えているのであろうか。

 九州北部豪雨災害で被害を受けた朝倉市。避難所対応で印象的だった点が二点ある。第一に、避難している人が、災害発生直後から主体的に避難所内の生活改善に関わっていた点である。久喜宮小学校では、コミュニティ協議会が、災害発生直後に避難所に駆けつけ、弁当の配布などの避難所対応にあたっていた。サンライズ杷木では、避難している人が、更衣スペース(写真)や下駄箱を工夫して設置するなど生活環境の改善に取り組んでいた。日頃からコミュニティぐるみで活動をしていることによる成果ともいえる。

 第二に、複数の地区の人が生活する避難所の避難所運営が難しいという点である。同じ空間で生活していても、地区ごとに生活空間の使い方は異なる。地区がまとまって相互に目配りができるような空間づくりをしている地域もあれば、パーティションでを周囲を囲みプライバシーを重視している地域もある。

 避難所運営の問題は、日頃の地域づくりとの相関が高い。日頃から、地域間の付き合いが密接であり、顔が見える関係が構築されている地域では、地域でまとまりながらも開放的な生活空間が作られがちである。ところが、日頃から人間関係が希薄な地域だと、空間設営もプライバシー重視型となる。また、複数の地区が集る避難所では、誰もがリーダーシップを取ろうとはしない。その結果、避難所運営が、市やNPOなどの第三者に委ねられることも。日頃から、避難所対応について、地区ごとにどう対応するのかだけでなく、複数の地域での避難所生活になる場合どのように対応するのか、という視点をも含めて考える必要がある。