避難所問題解決にむけNPO、行政、大学が連携

避難所情報の集約にむけた議論が行われた

災害対応の課題の一つに、広域の避難所情報が把握・共有されていない点がある。どこに避難所があるのかはわかっても、どこの避難所にどれくらいの人が避難しており、どのような課題があるのかが一元的に把握されていない。これは、広域で避難所情報を集約するシステムがないためである。本来であれば、災害発生直後から継続した避難所評価調査(アセスメント)を客観的な観点から行い、生活環境を改善を図るとともに支援の偏りを防ぐ必要がある。しかしながら、避難所支援は市町村が行うことになっていることもあり、全国レベルで情報を把握・共有し、それを支援にむすびつけるということが行われていない。

熊本地震では、新たに、NPO・国・県・市・大学などの連携による避難所情報集約の取り組みがはじめられている。東日本大震災の経験を受け、官民連携による被災者支援のための組織として設置がすすめられている「全国災害ボランティア団体支援ネットワーク(JVOAD)準備会」が、内閣府・熊本県などと連携して広域の避難所情報集約をはじめた。全国から熊本の支援に訪れた保健士による避難所巡回調査結果を基本とし、そこで網羅されていない避難所118ヶ所の調査を実施した。さらに、横浜市立大学が、熊本市と連携して大学関係者の支援を得て実施した避難所調査の結果も共有される予定である。

5月8日にJVOAD・内閣府・大学関係者により情報共有のための会議が行われた(写真)。熊本市の避難所調査を行っている横浜市立大学の石川永子准教授は「避難所によって生活環境に差がある。地域組織や地域ボランティアが連携し、自主的な生活環境改善が行われている避難所もあり、このような知恵や工夫を他の避難所にも生かすための、地元と支援者のネットワークの構築が重要」と語った。会議では、過密状態の避難所、衛生環境問題、トイレ問題、洗濯スペース不足などの課題が共有された。また、避難所の集約が進められる一方、避難所の集約により人が集中し、生活環境が悪化している避難所の改善策が議論された。JVOAD準備会の明城徹也事務局長は、情報を共有したことにより、避難所に共通している課題もみえてきた。外部からの支援団体の調整を行うなど、対策を検討したいと述べた。連携を通した避難所の環境改善が望まれる。