避難所環境の早急な見直しを

4月14日の地震後、断続的に地震が続いている熊本県。地震による被害が大きかった地域では、多くの人が避難生活をおくっている。熊本県災害対策本部によると、4月16日時点で熊本県内に設置された避難所数は、把握されているだけで655ケ所、避難者数は68,911名に上る。各地の避難所は人があふれており、廊下・ロビーの床にシートを敷き寝起きしている人も多い。また、公園、広場などのオープンスペースに車を停める、テントを張るなどして、屋外で生活している人も多数いる。15日に熊本市、益城町の避難所の状況を確認したが、最悪に近い環境にある。

益城町保健福祉センターには、約900名の人が避難しており、ロビー、廊下まで人があふれている。固いコンクリートの床の上には、薄い敷物の上にシートが敷いているだけである。人が横になっている横を、外部からの支援団体や、取材に駆けつけたマスコミ関係者が通っていく。避難者が増えたことから、避難所に設置された仮設トイレにも多くの人が並んでいる。避難所で生活する人のプライバシーの確保、介護スペースの確保をなどの生活環境全般の改善が必要な状況であるが、対応に当たる職員の多くは、問合せ対応、メディア対応に追われており、そこまで手がまわっていない。

2011年3月11日の東日本大震災による災害関連死は3,407名に上り、その最大の理由に挙げられているのが「避難所における生活の肉体・精神的疲労」である。今回の地震においても、長期化する避難生活において災害関連死を防ぐということは、これから先の最大の課題の一つである。しかしながら、このままの状況で避難生活が続くと、命を落とす人が増えかねない。そのため、避難所の生活環境の改善に向けた積極的な取り組みが求められる。避難所の生活空間を見直し、避難している人のプライバシーを確保する、外部からの訪問者は受付で確認し中には出入りできないようにする、健康状態が悪い人がいないか避難している人が互いに確認する、などの仕組みづくりが重要である。

このような仕組みづくりは、本来であれば、避難所を利用している人が、主体的に取り組む必要がある。しかしながら、事前にそのような取り組みが行われていないと、いざ災害が起こってからでは実践することは難しい。現在避難している人の多くは、突然の地震により住む場所を失い、避難所に身を寄せている状況であり、避難所運営について考えるだけの心理的な余裕はない。一方、地元の行政機関は、行方不明者の捜索救助、災害対応関係業務に追われており、避難所対応までは手がまわっていない。避難所運営は、地域の事情・プライバシーの問題もあるため、外部の支援者が支援に入り難い分野でもある。内閣府は、「避難所運営ガイドライン」「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」を公開しており、避難所の生活環境を改善するために必要な事項がチェックリストで確認できるようになっている。このようなガイドラインを活用しながら、気が付いた人が意識的に環境改善に向けて取り組むことが重要である。